ジャムコ(7408)は、航空機内装品や機器の製造で知られる日本の企業で、特にボーイング787型機向けの製品供給に大きな役割を果たしています。
2024年4Q決算でのポイントは、787型機向け製品の出荷再開が収益にどのような影響を与えるかという点です。
この記事では、航空需要の回復や供給再開がジャムコの業績と株価に及ぼす可能性について、今後の見通しと投資のポイントを詳しく分析します。
ジャムコの事業内容は?
株式会社ジャムコは、航空機内装品や機器の製造、整備を行う企業で、主な事業セグメントとして航空機内装品等製造関連、航空機シート等製造関連、航空機器等製造関連、航空機整備等関連、その他があります。
航空機内装品等製造関連では、ボーイング787型機向け内装品やスペアパーツの設計・製造を行い、品質と技術力で高い信頼を得ています。
航空機需要の増加に伴い、ジャムコは新造機の増産計画やスペアパーツ供給体制の強化に注力しています。
ジャムコの決算分析(2024年3月期決算短信)
ジャムコ(7408)の2024年3月期決算は、全体として増収増益であることから、基本的にはポジティブな評価ができます。
ただし、一部セグメントでの課題(特に航空機シート等製造関連の損失拡大)や、経常利益と純利益の減少は注意が必要です。
今後の見通しも明るく、特に航空機内装品事業へのリソース集約が効果を上げる可能性が高いです。ただ、短期的にはコスト増加や損失拡大の影響が懸念されます。
ジャムコの決算情報は株探で確認できます。成長性や収益性、業績修正の一覧を確認するには、株探プレミアムの申し込みが必要です。
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前期【実績】
- 売上高: 63,999百万円(前期比 16,773百万円増)
- 営業利益: 2,383百万円(前期比 649百万円増)
- 経常利益: 999百万円(前期比 127百万円減)
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 1,710百万円(前期比 463百万円減)
航空機内装品等製造関連
- 売上高: 40,986百万円(前期比 11,371百万円増)
- 経常利益: 4,970百万円(前期比 1,383百万円増)
ボーイング787型機向け製品の出荷再開やスペアパーツ販売の増加が寄与。
航空機メーカーの増産やエアラインのスペアパーツ需要増に対応し、増産体制を強化。国内子会社の統合、フィリピン工場の生産能力拡張、サプライチェーン強靭化を実施。
航空機シート等製造関連
- 売上高: 9,208百万円(前期比 5,338百万円増)
- 経常損失: 4,015百万円(前期は、経常損失 2,708百万円)
ボーイング777型機向けビジネスクラス・シート「Venture」の出荷が進むも、コスト上昇が影響。開発を伴う受注を一時凍結し、リソースを航空機内装品事業に集中。
航空機器等製造関連
- 売上高: 5,566百万円(前期比 490百万円増)
- 経常損失: 159百万円(前期は、経常利益 85百万円)
炭素繊維構造部材の出荷増加も、原価増の影響が大きい。熱可塑性CFRPを活用した軽量機体部材の開発や、熱硬化性CFRP部材の他分野展開を推進。
航空機整備等関連
- 売上高8,235百万円(前期比427百万円減)
- 経常利益211百万円(前期比40百万円増)
部品整備の一部プログラム出荷の翌期繰り延べも、機体整備の堅調な進捗がプラスに。飛行安全の確保と品質向上に努めると共に、官公庁向け整備の受注拡大と新規事業分野(ドローン運用サポート)への取り組みを開始。
2025年3月期の予想
2025年3月期の連結業績見通しは、売上高86,900百万円、営業利益7,810百万円、経常利益5,280百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,490百万円を見込んでおり、1米ドル140円の為替レートを前提としています。
ジャムコの株価予測(2024年3月期決算短信)
総じて業績は増収増益となっております。特に主力事業である航空機内装品の好調です。
ただし、為替差益の減少や金利負担の増加により、経常利益と純利益が減少している点はネガティブ要素です。
目標株価の予測
5月13日に目標株価を設定
1,950円を目標
次の決算発表(約3ヶ月後)までの目標株価です。これは独自のルールに基づいて算出していますが、必ずしもこの株価に到達するとは限りません。
目標株価の結果
最高値の株価
7月23日に1,654円まで上がったものの目標株価に到達せず。
決算翌日始値1,413円、最高値1,654円、+17%上昇。
ジャムコのチャート分析
チャート画像は「TradingView」のものを使用しています。日足以外のチャートは、TradingViewのサイトかアプリてご確認ください。
5月13日
決算前日終値:1,173円、決算翌日始値:1,413円、20.46%のギャップアップで始まる。
5月24日
米ボーイングの株価が下落したことによりギャップダウンで始まる。
6月4日
中国への納入再開により米ボーイング株が上昇しギャップアップで始まる。
まとめ
2024年3月期の決算を基にしたジャムコ(7408)を分析し予測を出しました。
航空機需要の増加を背景に堅調な業績を維持していました。ただ、コスト増加や為替リスクなどの課題に直面しています。
投資判断の参考にしていただければ幸いです。