シーユーシー(9158)は医療・介護関連事業で幅広いサービスを提供する企業として注目されており、2025年2Qの決算では全セグメントで売上と収益が増加しました。
高齢化の進行や医療需要の高まりを背景に、同社の幅広い事業が成長を続けており、特に在宅医療や介護サポート分野の貢献が顕著です。
この記事では決算内容を詳しく分析し、株価予測について解説します。
シーユーシーの事業内容は?
株式会社シーユーシー (CUC) は、医療や介護分野において地域医療の充実を目指すサービスを提供する日本の企業です。
特に在宅医療と地域包括ケアを中心とした事業を展開し、病院の運営支援や在宅医療クリニックの運営支援、さらには訪問看護や介護支援までを網羅するサービスを提供しています。
具体的な事業内容は以下の通りです。
在宅医療支援
在宅医療の普及と推進に力を入れており、病院や診療所と連携し、医師が自宅での治療を行えるようサポートする仕組みを提供しています。
患者が自宅で治療を受けられることで、入院日数の短縮や医療資源の最適化に寄与しています。
地域包括ケアシステムの構築
CUCは地域における医療・介護サービスの連携強化を目指し、地域包括ケアシステムの構築支援を行っています。
医療機関、介護施設、地域住民が連携して高齢者や病気療養中の人々を支える環境を整備することで、地域全体の福祉向上に貢献しています。
訪問看護サービス
患者の自宅に看護師が訪問し、病状管理や生活支援を行う訪問看護事業を展開しています。これにより、通院が難しい高齢者や障がいを持つ患者も安心して生活できる環境を整えています。
クリニック運営サポート
CUCは在宅医療を行うクリニックや診療所の開業・運営を支援しています。
これには、クリニックの運営に必要なマネジメントや経営面でのアドバイスも含まれ、医師が患者の診療に専念できる体制を構築しています。
ICT(情報通信技術)活用による医療支援
電子カルテや遠隔診療などのICTを活用したサービスを提供し、医療現場の効率化を図っています。
これにより、医師や看護師が必要な情報を迅速に共有し、患者の治療やケアがスムーズに行える環境を提供しています。
シーユーシーの決算分析(2025年3月期決算短信)
2024年10月28日に発表された2025年3月期の決算短信を基に、決算分析をしています。
シーユーシーの決算情報は株探で確認できます。成長性や収益性、業績修正の一覧を確認するには、株探プレミアムの申し込みが必要です。
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今回の決算で重視するべき点は下記の通りです。
- 売上収益の増加
- 利益の増加
- 特異な要因
- 資産・負債の状況
それぞれについて詳しく見てみましょう。
1. 売上収益の増加
・医療機関セグメント: 売上収益8,903百万円(前年同期比73.1%増)
・ホスピスセグメント: 売上収益6,705百万円(前年同期比42.5%増)
・居宅訪問看護セグメント: 売上収益6,077百万円(前年同期比10.0%増)
・全体の売上収益: 21,611百万円(前年同期比40.8%増)
・医療機関セグメント
国内事業:医療機関の支援先やM&A支援報酬の増加があり、売上収益は前年同期比73.1%増の8,903百万円、セグメント利益は9.3%増の2,201百万円。
米国事業:2024年1月に米国の足病クリニック事業を買収し、海外売上が増加。
・ホスピスセグメント
既存施設の稼働率向上により売上収益は前年同期比42.5%増の6,705百万円。セグメント利益も黒字転換し、前年同期のセグメント損失(50百万円)から利益690百万円へと大幅改善。
・居宅訪問看護セグメント
訪問看護サービス利用者およびケア時間の増加により売上収益は前年同期比10%増の6,077百万円、セグメント利益は39.8%増の540百万円と順調に成長。
2. 利益の増加
・営業利益: 3,047百万円(前年同期比71.3%増)
・EBITDA: 4,169百万円(前年同期比60.9%増)
3. 特異な要因
・米国足病事業の買収により、海外売上も増加
・為替差益362百万円が発生
4. 資産・負債の状況
・資産合計: 70,223百万円(前連結会計年度末比7,387百万円増)
・負債合計: 41,741百万円(前連結会計年度末比6,910百万円増)
・資本合計: 28,482百万円(前連結会計年度末比477百万円増)
資産増加:米国事業の買収資金復元のため長期借入金7,000百万円を調達し、現金同等物が増加。
負債増加:同様に長期借入金の影響で負債が増加。
資本の増加:親会社に帰属する中間利益の増加がある一方で、為替差損等の影響で一部資本減少も見られる。
シーユーシーの株価予測(2025年3月期決算短信)
全セグメントで売上と収益が増加し、特にホスピスセグメントの黒字転換と医療機関セグメントでのM&Aによる海外事業強化が成長期待を支えています。
全体として、売上収益は前年同期比で40.8%増加、EBITDAも60.9%増加しており、株価上昇を期待させる材料となり得ます。
一方で、米国事業の買収による長期借入金の増加に伴い、負債が膨らんでいます。これにより利子負担も増加し、収益を圧迫するリスクがある点には注意が必要です。
また、為替差損も発生しており、今後の為替変動が株価に影響を与える懸念もあります。
目標株価の予測
10月30日に目標株価を設定
2,504円を目標
次の決算発表(約3ヶ月後)までの目標株価です。これは独自のルールに基づいて算出していますが、必ずしもこの株価に到達するとは限りません。
目標株価の結果
最高値の株価
予測した目標株価の結果は、次の決算発表までに追加予定です。
シーユーシーのチャート分析
チャート画像は「TradingView」のものを使用しています。日足以外のチャートは、TradingViewのサイトかアプリてご確認ください。
まとめ
2025年3月期第2四半期の決算を基にしたシーユーシー(9158)を分析し予測を出しました。
全体的には、成長ポテンシャルが示された堅調な決算内容で、株価に対してプラスの影響が予想されますが、負債増加に伴うリスクや為替の影響は注視が必要です。
投資判断の参考にしていただければ幸いです。