2025年2Q決算が発表された東亜建設工業(1885)は、国内外でのインフラ投資が好調に推移していることから注目を集めています。
特に、日本国内では堅調な公共工事の需要が続き、さらに海外事業においても着実な成長を見せています。
この記事では、最新の決算内容を分析し、今後の株価の見通しについても解説します。
東亜建設工業の事業内容は?
東亜建設工業は、日本を拠点とする総合建設会社で、特にインフラ開発や土木工事、海洋土木事業に強みを持っています。以下、主な事業内容について紹介します。
1. 土木事業
港湾、鉄道、道路などのインフラ整備や社会資本の構築に取り組んでいます。特に海上土木分野に強みがあり、社会基盤の整備に貢献しています。手掛ける工事は、公共投資を中心とした大規模プロジェクトが主です。
また、東南アジアをはじめ、アフリカや南アジアなどでも海上土木工事を展開しており、とくに大型港湾工事の受注を増やして海外市場で成長を続けています。
2. 建築事業
特命案件や企画提案案件、設計施工案件などを手掛けています。物流施設や医療・福祉施設など、幅広い分野で事業を展開しており、大型案件を中心に受注が増加しています。
また、高採算の案件を重点的に、特定の建築分野でも取り組みを強化しています。
3. その他の事業
中期経営計画に基づき、新しいビジネスモデルの開発や新規事業の展開にも注力しています。また、アジアやアフリカ市場を中心に、海外での事業拡大も積極的に進めています。
4. その他の活動
防災・減災、国土強靭化を目的とした事業に力を入れており、公共事業における重要な役割を果たしています。
東亜建設工業の決算分析(2025年3月期決算短信)
2024年11月11日に発表された2025年3月期の決算短信を基に、決算分析をしています。
東亜建設工業の決算情報は株探で確認できます。成長性や収益性、業績修正の一覧を確認するには、株探プレミアムの申し込みが必要です。
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今回の決算で重視するべき点は下記の通りです。
- 売上高と利益の増加
- セグメント別の業績
- 受注高の動向
- 財政状態
- キャッシュフロー
それぞれについて詳しく見てみましょう。
1. 売上高と利益の増加
・売上高: 149,819百万円(前年同期比15.1%増)
・営業利益: 9,432百万円(前年同期比26.1%増)
・経常利益: 9,169百万円(前年同期比27.8%増)
・中間純利益: 6,667百万円(前年同期比48.2%増)
各指標で前年比増加を示しており、特に純利益の増加率が高く、好調な収益性をアピールしています。これは今後の業績期待を高め、株価にとってプラス要因と見られます。
2. セグメント別の業績
・国内土木事業: 売上高65,303百万円(前年同期比0.9%増)、セグメント利益5,971百万円(前年同期比6.9%増)
・国内建築事業: 売上高52,256百万円(前年同期比40.9%増)、セグメント利益2,846百万円(前年同期比84.9%増)
・海外事業: 売上高25,994百万円(前年同期比14.2%増)、セグメント利益1,726百万円(前年同期比138.6%増)
建築事業と海外事業が特に好調であり、インフラ関連投資や海外事業の伸びが業績を支えています。これにより国内の公共インフラと海外のインフラ案件が堅調なため、事業のバランスが取れている点はポジティブです。
3. 受注高の動向
国内土木事業と建築事業での受注高は前年並み、海外事業では東南アジアでの大型案件獲得により受注高が65.3%増。
4. 財政状態
・総資産: 271,473百万円(前年度比1,462百万円減少)
・負債: 171,920百万円(前年度比4,315百万円減少)
・純資産: 99,553百万円(前年度比2,852百万円増加)
・自己資本比率: 36.2%(前年度比1.2ポイント増加)
利益剰余金の増加によるもので、自己資本比率も1.2ポイント増加し36.2%。
5. キャッシュフロー
・営業活動によるキャッシュフローは9,936百万円の資金減少
・投資活動によるキャッシュフローは330百万円の資金減少
・財務活動によるキャッシュフローは7,923百万円の資金減少
営業キャッシュフローは売上債権の増加や仕入債務の減少による9,936百万円の資金減少。一方で、投資と財務キャッシュフローも減少傾向にあり、特に営業キャッシュフローの悪化が懸念材料です。
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東亜建設工業の株価予測(2025年3月期決算短信)
売上高・利益ともに前年同期比で大幅増加しており、特に国内建築事業と海外事業の好調です。また、インフラ投資の継続が見込まれているため、今後も安定した収益成長が期待されます。
目標株価の予測
11月12日に目標株価を設定
1,274円~1,348円を目標
次の決算発表(約3ヶ月後)までの目標株価です。これは独自のルールに基づいて算出していますが、必ずしもこの株価に到達するとは限りません。
目標株価の結果
最高値の株価
予測した目標株価の結果は、次の決算発表までに追加予定です。
東亜建設工業のチャート分析
チャート画像は「TradingView」のものを使用しています。日足以外のチャートは、TradingViewのサイトかアプリてご確認ください。
まとめ
2025年3月期第2四半期の決算を基にした東亜建設工業(1885)を分析し予測を出しました。
総合的に見ると、インフラ投資が堅調で、海外事業も利益が大幅に伸びているため、今後の株価は上昇傾向が期待されます。
投資判断の参考にしていただければ幸いです。