決算分析

【2025年4Q】ブイ・テクノロジー(7717)の決算分析と株価予測!FPD装置事業が大幅回復

2025年5月13日

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2025年5月13日に発表されたブイ・テクノロジー(7717)の2025年3月期決算は、注目されていたFPD装置事業が大幅に回復し、業績全体をけん引しました。

この記事では、ブイ・テクノロジーの最新決算内容を詳しく分析します。

ブイ・テクノロジーの事業内容は?

ブイ・テクノロジーは、フラットパネルディスプレイ(FPD)および半導体製造装置の開発・製造・販売を主力とする精密機器メーカーです。

1997年に設立され、神奈川県横浜市に本社を構え、東京証券取引所プライム市場に上場しています。同社はファブレス経営を採用し、製品の製造は外部に委託しています。

1. FPD装置事業(売上構成比:約60%)

液晶(LCD)や有機EL(OLED)などのディスプレイ製造工程に使用される装置を提供しています。

主な製品には、露光装置、外観検査装置、欠陥修正装置、測定装置などがあり、スマートフォンやテレビ向けの高精細パネル製造に不可欠な装置を取り扱っています。

2. 半導体・フォトマスク装置事業(売上構成比:約37%)

シリコンウェーハの検査・研磨装置や、フォトマスクの検査・測定装置を提供しています。

特に、MRAM(磁気抵抗メモリ)向けの非接触電気検査装置など、先端技術分野への対応も進めています。

3. その他事業(売上構成比:約3%)

FPD用蒸着マスクなどの部材提供や、製造業向けのDXソリューション、農業関連事業など、多角的な事業展開を行っています。

ブイ・テクノロジーの決算分析(2025年3月期決算短信)

2025年5月13日に発表された2025年3月期の決算短信を基に、決算分析をしています。

ブイ・テクノロジーの決算情報は株探で確認できます。成長性や収益性、業績修正の一覧を確認するには、株探プレミアムの申し込みが必要です。

それぞれについて詳しく見てみましょう。

1. 全体業績は大幅な増収・増益

・売上高:461.8億円(前年同期比+23.7%)
・営業利益:18.2億円(+115.3%)
・経常利益:18.9億円(+70.1%)
・純利益:8.0億円(+2.8%)

売上・利益ともに2ケタ成長を達成。特に営業利益の増加が目立ち、事業効率の改善が推察される。

2. FPD装置事業が大幅回復

・売上高:298億円(+34%)
・営業利益:9.1億円(前年は赤字2,500万円)
・受注金額:347.1億円(+71.4%)
・受注残高:248.1億円(+24.7%)

FPD市況回復による投資再開で、業績と先行指標(受注)が好転。赤字から黒字転換は市場評価材料。

3. 半導体・フォトマスク装置事業は横ばい

・売上高:149億円(+6.7%)
・営業利益:12.4億円(+0.6%)
・受注金額・残高:前年とほぼ横ばい

半導体全体は停滞も、AI関連需要が下支え。利益は確保できており、堅調維持。

3. 受注残高:436.6億円(+17.7%)

今後の売上の裏付けとなる「手持ち仕事」が増加しており、2026年3月期以降の収益安定性が高い。

4. 財務健全性・キャッシュ水準は良好

・現金等:261億円(+32.3億円)
・営業CF:+53.4億円(力強い)
・自己株買い実施:株主還元の姿勢
・純資産減少は主に為替換算・自社株取得によるもの(本業悪化の兆しではない)

キャッシュ増・借入返済進行もあり、財務体質は改善傾向。

ブイ・テクノロジーの株価予測(2025年3月期決算短信)

・FPD装置事業が黒字転換&急回復
・受注高・受注残ともに大幅増加 → 将来の業績を織り込みやすい
・営業利益が2倍以上に増加
・財務健全化&潤沢な現金
・自社株買いによる株主還元強化

業績回復+成長期待+株主還元の三拍子揃い、上昇バイアスが強い内容です。

目標株価の予測

5月13日に目標株価を設定

4,285円~5,936円を目標

売買タイミングはこちらの記事でご覧ください。

次の決算発表(約3ヶ月後)までの目標株価です。これは独自のルールに基づいて算出していますが、必ずしもこの株価に到達するとは限りません。

目標株価の結果

最高値の株価

予測した目標株価の結果は、次の決算発表までに追加予定です。

ブイ・テクノロジーのチャート分析

日足チャート

地合いによる暴落から元の価格に戻ったタイミングです。

月足チャート

月足で見ると底値付近にあり、上昇余地は十分あります。

チャート画像は「TradingView」のものを使用しています。日足以外のチャートは、TradingViewのサイトかアプリてご確認ください。

まとめ

ブイ・テクノロジー(7717)の2025年3月期決算は、主力であるFPD装置事業の回復が業績を下支えし、厳しい市場環境下でも黒字を確保する結果となりました。

今後は、中国・韓国を中心としたディスプレイ関連設備投資の再加速や、半導体関連装置の受注動向がカギを握る展開が予想されます。

依然として市況の不透明感は残るものの、足元の受注残高や企業の技術力を考慮すれば、業績の底打ち感は強まっており、中長期での株価上昇も視野に入りそうです。

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