「株で儲かる確率は何%なのか」
これは、これから株を始めようとしている人も、すでに始めている人も、一度は気になる疑問ではないでしょうか。
ネットやSNSでは「株で簡単に儲かる」「〇〇万円稼いだ」といった話が目につきますが、実際のところ、どれくらいの確率で利益が出ているのかは、あまり語られません。
この記事では、初心者が誤解しやすいポイントを整理しながら、株で儲かる確率の現実と、数字の裏にある考え方を分かりやすく解説いたします。
株で儲かる確率は何%なのか?

結論からお伝えすると、株で継続的に儲かっている人は全体の中でも一部に限られます。
短期的に利益が出る人まで含めれば、プラスになった経験がある人は一定数存在します。しかし、長期的に見て安定して利益を出し続けている人に絞ると、その割合は大きく下がります。
多くの調査や実態を見ても、投資家は大きく次の3つに分かれます。
- 利益を出している人
- ほぼトントンで推移している人
- 損失を抱えている人
この中で、初心者が最初から勝ち続ける確率は決して高くありません。
特に、明確な戦略や再現性のある手法を持たない状態では、運に左右されやすく、長く続けるほど成績が不安定になりがちです。
だからこそ、「一時的に勝てたかどうか」ではなく、長期的に続けられるか、生活やメンタルに負担が出ていないかという視点が重要になります。
投資スタイル別|株で儲かる確率の目安
株で儲かる確率は投資スタイルによって大きく異なり、一概に◯%とは言えません。
ただし、一般的に語られている目安はあります。
① 短期売買(デイトレ・スイング)
儲かる人:全体の10〜20%前後
- 多くの調査や証券会社の統計では、8〜9割は長期的に見ると負けている。
- 手数料・税金・感情的なトレードが成績を悪化させやすい。
- 一時的に勝っても「最終的にプラスで終わる人」は少数派。
▶ 再現性を持って儲け続けるのはかなり難しい世界
② 中長期投資(数年単位)
儲かる確率:50〜70%程度
- 優良企業・分散投資・長期保有が前提。
- 景気や相場環境の影響を強く受ける。
- 暴落時に売ってしまう人はマイナスになりやすい。
▶ 「途中でやめない人」ほど勝率が上がる。
③ インデックス投資(超長期)
儲かる確率:70〜90%以上(20年以上)
S&P500や全世界株式など過去のデータでは、長期保有すればプラスになる確率は非常に高い。ただし短期的な下落は必ずある。
▶ 「時間を味方にできる人」が有利。
なぜ「儲かる確率」が高く見えてしまうのか

株で儲かる確率について、多くの人は実態よりも高く見積もってしまいがちです。
そこには、投資初心者ほど陥りやすい、いくつかの理由があります。
1. 儲かった人の声だけが目に入るから
SNSやブログを見ていると、
「今月〇〇万円プラス」
「この銘柄で大きく利益が出た」
といった成功体験が目立ちます。
一方で、
- 損をした話
- 失敗や後悔の体験談
- 静かに投資をやめていった人
こうした声は、ほとんど表に出てきません。
結果として、実際よりも「儲かっている人が多い」ように錯覚しやすくなります。
これは「生存者バイアス」と呼ばれる、非常によくある思い込みです。
2. 短期の成功を「実力」だと勘違いしやすい
株を始めたばかりの頃に、たまたま利益が出ることは決して珍しくありません。特に相場全体が上昇している局面では、誰でも勝ちやすくなります。
しかし、一度勝てたことと、勝ち続けられることはまったく別物です。
この違いを理解しないまま、
- 投資額を増やす
- トレード回数を増やす
- リスク管理を軽視する
といった行動を取ると、結果的に大きな損失につながるケースも少なくありません。
初心者が株で儲かりにくい現実的な理由

では、なぜ初心者は株で儲かる確率が低くなりやすいのでしょうか。
そこには、経験や才能以前に、誰でも陥りやすい現実的な理由があります。
1. 感情に振り回されやすい
初心者ほど、次のような行動を取りがちです。
- 含み損に耐えられず、早めに売ってしまう
- 少し利益が出ただけで安心して利確してしまう
- 価格が下がると焦って売り、底付近で手放してしまう
株式投資では冷静な判断が重要ですが、お金が直接関わる以上、感情を完全に切り離すのは簡単ではありません。
結果として、「損は小さく切れず、利益は伸ばせない」という不利な取引になりやすく、儲かりにくさにつながります。
2. 明確なルールを持たずに取引している
継続的に利益を出している人ほど、事前に明確なルールを決めています。
- どこで買うのか
- どこで売るのか
- どの時点で損切りするのか
一方で初心者は、
「なんとなく上がりそう」
「有名な企業だから安心そう」
といった感覚やイメージだけで売買してしまいがちです。
ルールがない取引は、その場の感情に左右されやすく、結果も安定しません。
この積み重ねが、儲かる確率の差として表れてきます。
僕の売買ルールは、チャートで判断できる方法で解説しています。
それでも株で儲かる人がいる理由

ここまで読むと、「やはり株はやらない方がいいのでは?」と感じた方もいるかもしれません。
確かに、株で損をする人が多いのは事実です。しかし一方で、長期的に安定して利益を出し続けている人が一定数いるのもまた事実です。
では、その人たちは何が違うのでしょうか。
実は、儲かっている人たちには共通した考え方や行動パターンがあります。
1. 長期目線で考えている
株で安定して利益を出している人の多くは、日々の値動きに振り回される短期売買ではなく、次のような投資スタイルを選んでいます。
- 長期投資
- 分散投資
- 積立投資
これらの手法は、一時的な株価の下落や相場の荒れがあっても、冷静に続けやすいという特徴があります。
特に重要なのは、
👉 感情的な売買を減らせること
初心者ほど、「短期間で一気に稼ぎたい」と考えがちですが、その発想こそが失敗の原因になりやすいです。
長期目線を持つことで、大きな失敗を避け、結果的に儲かる確率を高めやすくなります。
2. 期待値で判断している
継続的に儲かっている人は、この取引は当たるかどうかではなく、長期的に見て有利かどうかという期待値の考え方で判断しています。
一回一回の勝ち負けにこだわるのではなく、トータルで見てプラスになる行動を、淡々と積み重ねているのが特徴です。
そのため、一時的な負けがあっても大きく動揺せず、ルール通りの行動を続けられます。
「負けを受け入れられること」こそが、長く株で生き残るための重要な条件と言えるでしょう。
大損しても立ち直れる方法は別記事で説明しているので、合わせてご覧ください。
大きな損失を出してしまっても、立ち直るための具体的な考え方や行動は別の記事で詳しく解説しています。
👉「株の大損で立ち直れない。絶望から抜け出すための具体的な方法」をご覧ください。
まとめ|株で儲かる確率を正しく理解しよう
株で儲かる確率は、決してゼロではありません。
ただし、何も考えずに始めても高確率で儲かる世界ではないという現実があります。
特に初心者のうちは、短期的な成功や派手な情報に惑わされやすく、気づかないうちに不利な判断を重ねてしまいがちです。
だからこそ、次のポイントを意識することが重要になります。
- 短期的な成功に振り回されない
- 感情ではなく、事前に決めたルールで判断する
- 目先の利益よりも、長期目線で考える
これらを意識するだけでも、株との向き合い方や結果の受け止め方は大きく変わってきます。
もし今、「本当に自分は株に向いているのだろうか」と感じているのであれば、一度立ち止まって考えることも立派な判断です。