「株式分割があると株価は上がりやすい」
「分割前に買えば儲かるらしい」
そんな話を聞いて、チャンスを逃したくない気持ちになっていませんか?
一方で
「本当にそれだけで利益が出るの?」
「高値づかみになったら怖い…」
と、不安を感じて検索された方も多いはずです。
結論から言うと、株式分割で儲かる可能性はあるものの、仕組みを理解せずに飛びつくのは危険。
株価が上がりやすい理由は確かに存在しますが、同時に見落としやすい注意点もあります。
この記事では
- 株式分割で株価が上がりやすい理由
- 実際の株価の動きの傾向
- 失敗しやすい人の特徴と対策
を、投資初心者の方でも分かる言葉で解説します。
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株式分割は必ず儲かるわけではないが、上がりやすい傾向がある

「株式分割で儲かるって本当なのか?」と気になっている方へ、まず結論からお伝えします。
株式分割をしたからといって、必ず利益が出るわけではありません。ただし、株価が上がりやすい傾向があるのも事実です。
ここを正しく理解することが、失敗を避ける第一歩になります。
なぜなら、株式分割は会社の実力そのものを直接変える出来事ではないからです。
一方で、投資家の動きや売買の活発さに影響を与えるため、結果として株価が上がる場面が多く見られます。つまり、仕組み上は変わらないが、相場では動きやすくなるというのが本質です。
これから、株式分割と株価の関係を順番に整理していきます。
株式分割について詳しく知りたい人は、株式分割とは?メリット・デメリット、投資家への影響を徹底解説からご覧ください。
1. 株式分割は価値が増えるイベントではない
最初に知っておいてほしいのは、株式分割そのものに会社の価値を増やす力はないという点です。
分割によって起きるのは、株の枚数が増え、1株あたりの価格が下がるだけになります。
たとえば、1株1万円の株が2分割されると、1株5,000円になります。しかし、持っている株の合計金額は変わりません。
持ち株が2倍になる代わりに、1株の値段が半分になるだけです。
この仕組みを知らないと、安くなったから得だと思い込みやすくなります。
重要なポイントは次の通りです。
- 会社の資産や利益が急に増えるわけではない
- 株主が持つ全体の価値も変わらない
- 見た目の価格が下がるだけでお買い得になったわけではない
この前提を理解しておくと、株式分割のニュースに振り回されにくくなります。
2. 株価が上がりやすいと言われる理由
ではなぜ「株式分割=儲かることが多い」と言われるのでしょうか。
理由は、理屈ではなく、実際の売買の動きにあります。
現実の株価は、会社の価値だけでなく、投資家の気持ちや売買の量によっても動きます。
株式分割が発表されると、「買いやすくなる」「人気が出そう」と考える人が増えます。その結果、買い注文が増え、株価が押し上げられやすくなります。
理論上は同じ価値でも、市場では別の動きをすることがあるのです。
つまり、株式分割は会社の中身を変える出来事ではありませんが、投資家の行動を変える出来事といえます。この違いが、株価上昇につながる場面を生み出しています。
株式分割後に株価が上がりやすい3つの理由
株式分割後に株価が上がることが多いのには、はっきりした理由があります。それは、買う人が増えやすい環境に変わるからです。
ここでは特に大きな3つの理由を整理します。
株価は会社の実力だけで決まるものではありません。
どれだけ多くの人が売買しているか、どれだけ注目されているかも強く影響します。株式分割は、その両方に働きかける材料になります。
理由① 買いやすい株価になり投資家が増える
1株が数万円する銘柄は、気軽には買いにくいものです。
しかし、株式分割によって数千円台になると、心理的な負担が大きく下がります。
「この金額なら試してみよう」と考える人が増えやすくなります。特に、投資を始めたばかりの人や、少ない資金で運用している人にとっては大きな変化になります。
参加する人が増えれば、当然ながら買い注文も増えやすくなります。
ポイントは次の通りです。
- 少ない資金でも買えるようになる
- 初心者の参加が増えやすい
- 買う人が増えれば、株価は押し上げられやすい
このように、価格の下がり方が投資家の数に直結する点が、株価上昇につながります。
理由② 流動性が上がり取引が活発になる
株式分割をすると市場に出回る株の数が増えます。その結果、売りたい人と買いたい人が見つかりやすくなり、取引が成立しやすくなります。
この状態を、取引が活発と言います。
取引が増えると、株価は動きやすくなります。
大きな資金を動かす投資家にとっても、売買しやすい銘柄になります。そのため、より多くの資金が入りやすい環境に変わります。
簡単に整理すると、次のような流れです。
| 変化 | 起きやすいこと |
| 株数が増える | 売買しやすい |
| 出来高が増える | 短期資金が入りやすい |
| 注目が集まる | 値動きが大きくなる |
理由③ 成長企業の証として好感されやすい
株式分割を行う企業は、業績が好調な場合が多い傾向があります。
株価が高くなりすぎた結果、買いにくさを解消するために分割するケースが目立ちます。そのため「この会社は順調に成長している」という印象を持たれやすくなります。
この前向きなイメージが広がると、投資家の評価も高まりやすくなります。
ニュースとして取り上げられることも多く、注目が一気に集まります。注目が集まれば、買いが入りやすくなります。
株式分割は単なる手続きですが、市場では「良い会社が行うことが多い出来事」と受け止められやすい点が、株価を支える要因になります。
過去のデータから見る株式分割後の株価傾向
ここまで仕組みを説明してきましたが、実際の株価はどう動いているのでしょうか。
過去の例を見ると、株式分割の発表後に株価が上がる場面が多いことが確認できます。ただし、例外もあるため注意が必要です。
大切なのは、傾向はあるが、保証はないと理解することになります。
1. 分割後に上昇するケースが多いのは事実
過去の有名企業でも、株式分割の発表後に株価が上昇する場面が見られます。
発表直後に買いが集まり、そのまましばらく上昇する流れがよく起きます。
特に上がりやすいのは、次のようなタイミングです。
- 分割の発表直後
- 分割が実施される前後
- 業績が良い状態で分割が発表されたとき
このように、株式分割は株価のきっかけになることが多く、短期的な上昇につながりやすい傾向があります。
2. 必ず上がるわけではない理由
一方で、株式分割をしても株価が下がることは珍しくありません。
理由は単純で、分割だけでは会社の利益が増えるわけではないからです。
期待だけで上がっていた株は、材料が出たあとに売られることもあります。
また、相場全体が弱いときは、良い材料が出ても株価が上がりにくくなります。さらに、業績が悪化している企業の場合、分割だけでは買いは続きません。
株式分割はあくまできっかけであり、上昇を約束する出来事ではないと理解することが大切です。
実際に株式分割後に上昇した銘柄の例
株式分割の発表をきっかけに、株価が上昇した銘柄は実際に存在します。
背景にあるのは、分割によって株価が買いやすい水準になり、投資家の参加が増えたことです。その結果、売買が活発になり、株価が押し上げられる流れが生まれます。
ただし重要なのは、分割だけで上がったわけではないという点です。
業績が安定していることや、市場全体の雰囲気が良かったことも影響しています。
ここでは、株式分割後に上昇した実例を見ながら、その特徴を確認していきましょう。
1. マルハニチロ

マルハニチロは、2025年11月20日、1月1日に1株を3株に分割すると発表しました。
発表翌日から買いが入り始め、株価は上昇基調へと変化しています。分割実施後も売買は活発な状態が続き、株価はその後も堅調に推移しました。
2. 伊勢化学工業

伊勢化学工業は、2025年10月31日、1月1日に1株を10株に分割すると発表しました。
分割比率が大きかったこともあり、発表後は市場の注目が一気に集まりました。
翌営業日から株価は上昇し、その後も高値圏を維持する動きが見られています。
チャートは、TradingViewのを使用しています。分割日や財務データも見れます。
3. ここでのポイント
これらの例から分かるのは、株式分割は株価上昇のきっかけにはなりやすいということです。ただし、業績が悪い企業や相場全体が弱い場面では、同じような動きにならないこともあります。
そのため、分割のニュースだけで判断するのではなく、企業の実力や市場環境も合わせて見ることが大切になります。
株式分割で失敗する人の特徴
株式分割で利益を出す人がいる一方で、損をしてしまう人もいます。
その違いは、分割のニュースをどう受け止めたかにあります。
ありがちな失敗パターンを知っておくと、同じミスを避けやすくなります。
1. 分割=買いと思い込んで高値掴みする
株式分割のニュースを見て「これは上がる」とすぐ飛びつくと、すでに上がりきった高い位置で買ってしまうことがあります。
期待で株価が先に動いている場合、発表後は利益確定の売りが出やすくなります。
株価はいつも同じ動きをするわけではありません。
タイミングを考えずに買うと、分割という材料に振り回される形になります。冷静にチャートや値動きを確認する姿勢が必要です。
2. 企業の中身を見ずに材料だけで買ってしまう
株式分割だけを理由に投資すると、会社の実力を見落としがちになります。
売上や利益が伸びていない企業は、分割をしても長く株価が上がり続けることは期待しにくくなります。
分割はあくまで注目を集める出来事にすぎません。
本当に株価を押し上げるのは、会社の成長です。材料よりも中身を見る姿勢が、結果の差につながります。
中身を見て分析するには、ファンダメンタル分析は欠かせません。
ファンダメンタル分析について詳しく知りたい人は、下記の記事からご覧ください。
株式分割銘柄を狙うときのチェックポイント
株式分割をきっかけに投資を考える場合でも、見るべきポイントがあります。
分割だけに目を向けるのではなく、会社の状態や相場の流れまで確認することが大切です。
ここを押さえるだけで、無駄な失敗を大きく減らせます。
1. 業績が伸びているかを必ず確認する
まず確認すべきなのは、会社の業績です。
売上や利益が右肩上がりで増えている企業は、分割後も買いが続きやすくなります。将来の見通しが明るいかどうかも重要な判断材料になります。
株価は最終的に会社の力を映します。分割よりも、成長の勢いを重視することが大切です。
成長株の見つけ方は、グロース投資の基本!成長株の見つけ方と失敗しない投資のコツで解説しています。
2. 分割前に株価が上がりすぎていないか
分割の発表前後に株価が急に上がっている場合は注意が必要です。
期待が先に織り込まれていると、その後は売りが出やすくなります。チャートを見て、短期間で上がりすぎていないか確認することが重要になります。
勢いだけで飛びつかず、落ち着いて値動きを見る姿勢が利益を守ります。
チャートツールは、TradingViewがおすすめです。
3. 相場全体の流れも合わせて判断する
どれだけ良い材料があっても、相場全体が下向きのときは株価が上がりにくくなります。
市場全体の雰囲気が弱いと、買いが続かないからです。
個別の材料だけでなく、全体の流れも合わせて見ることが大切です。
株式分割は追い風になりますが、向かい風の中では力を発揮しにくいことも覚えておきましょう。
4. 分割発表直後は値動きが荒くなりやすい
株式分割の発表直後は、期待で株価が急に動くことがあります。
短期間で大きく上がった場合は、利益確定の売りが出やすくなるため注意が必要です。
慌てて飛びつくのではなく、値動きが落ち着いてから判断することも大切な考え方になります。
まとめ:業績を見ない投資は危険
株式分割は、株価が上がりやすくなるきっかけになりやすい材料です。
買いやすい価格になり、投資家が増え、注目も集まりやすくなるため、需給の面から株価が押し上げられる場面が多く見られます。
しかし、分割そのものに会社の価値を高める力はありません。
業績が伸びていない企業や、すでに期待で株価が上がりきっている銘柄では、思ったような結果にならないこともあります。
大切なのは、株式分割だから買うのではなく、成長している会社に分割という追い風が吹いているを見ることです。
見るべき順番は、①業績→②株価の位置→③相場の流れ→④分割です。順番を守るだけで、高値づかみをかなり避けられます。
仕組みと注意点を理解したうえで向き合えば、チャンスを味方につけられる可能性は高まります。

