インデックス投資は、はじめての方でも取り組みやすく、時間をかけてお金を育てていくのに向いている方法です。そのため、多くの人に選ばれています。
ただし、間違ったやり方で進めてしまうと、思っていたほど増えなかったり、思わぬ損をしてしまったりすることもあるのです。
そこでこの記事では、インデックス投資の基本的な考え方から、初心者の方が気をつけたいポイントまで、分かりやすくまとめました。
大切なのは、「無理なく、長く続けること」。
この記事を読むことで、安心して投資を始められる準備が整います。
インデックス投資とは?
インデックス投資とは、株式市場全体の動きに合わせて投資する方法です。
ここでいう「インデックス」とは、市場の平均的な動きを表す数字のことです。
この数字に合わせて値動きする投資信託やETF(上場投資信託)を買うことで、たくさんの会社にまとめて投資することができます。
会社を1つずつ選ぶ必要がないため、投資を始めたばかりの方でも安心して取り組める方法として人気があります。
長い目で見れば、経済の成長とともに資産も増えていくことが期待されます。
代表的なインデックス(指数)
インデックスには、さまざまな種類があります。それぞれ、どの国のどの会社に投資するかが決まっています。
- 日経平均株価(Nikkei 225):日本の代表的な225銘柄で構成
- TOPIX(東証株価指数):東京証券取引所の全上場銘柄を対象
- S&P500(米国主要500社):米国の主要企業500社で構成
- 全世界株式指数(MSCI ACWIなど):世界中の企業の株式を含む
それぞれのチャートは、「TradingView」で確認できます、
どんな人に向いているか?
✅ 向いている人
・長期的にコツコツと資産を増やしたい人
・投資に時間をかけたくない人
・リスクを分散したい人
・初心者で個別銘柄を選ぶのが不安な人
❌ 向いていない人
・短期間で大きな利益を狙いたい人
・市場平均を超えるリターンを目指したい人
・個別株や特定のテーマに投資したい人
インデックス投資は低コストで手間がかからず、長期的には安定したリターンを期待できる投資手法ですが、大きな利益を狙うには不向きな面もあります。

分からない人は、「自分に合った投資スタイルを見つけられる!」から確認してください。
インデックス投資のメリット
1. 分散投資が簡単にできる
インデックス投資は、たくさんの会社にまとめて投資できる方法です。これにより、1つの会社の株が下がっても、大きな損になりにくくなります。
全体の成長に合わせて、お金も少しずつ増えていくことが期待できます。
たとえば、S&P500やTOPIXのような「指数」に連動する投資信託を1つ買うだけで、数百もの会社に自動的に分けて投資できます。会社を1つ1つ選ぶ必要がないので、とても楽です。
2. 手数料がとても安い
インデックス投資は、他の投資方法と比べて手数料が安く済みます。なぜなら、専門家が会社を選ぶ必要がないからです。
最近では、年に0.1%以下の手数料で投資できる商品もあります。長く続ければ続けるほど、この小さな差が大きなお金の差になってきます。
3. 長期的に市場平均のリターンが得られる
株式市場は、長い目で見ると少しずつ上がっていく傾向があります。
たとえば、アメリカのS&P500という指数は、過去100年以上の間に年7~10%くらいの利益を出してきました。
会社選びで失敗するリスクを減らしながら、経済の成長に合わせて増やすことができます。
4. 運用の手間が少なく、初心者でも簡単
インデックス投資は「毎月コツコツ積み立てる」だけでよく、めんどうな売り買いや銘柄選びは必要ありません。そのため、投資をはじめたばかりの方にもぴったりです。
一度仕組みを作ってしまえば、あとは自動で続けられるのも魅力です。
5. 感情的な売買を避けられる
個別の株を持っていると、値動きにドキドキしてつい売ってしまいたくなることがあります。でも、インデックス投資は長く持ち続けるのが前提なので、目先の変化に振り回されません。
感情に左右されずに、落ち着いて投資を続けやすいのが大きな強みです。
インデックス投資のデメリット
1. 短期間で大きな利益を狙えない
インデックス投資は、平均的な成長に合わせた運用なので、短期間で大きく増えることは少ないです。たとえば、1年で2倍や3倍になるようなことは、ほとんど期待できません。
短期で大きくもうけたい方には、少し物足りなく感じるかもしれません。
2. 下落相場では大きく値下がりする
市場全体が悪くなると、インデックス投資の値段も下がります。
リーマンショックやコロナショックのように、全体が大きく落ちる場面では、大きな損を出すこともあります。
特定の会社にかたよらないようにしていても、全体が悪くなると逃げられないのが欠点です。
3. 市場平均を超えるリターンは得られない
インデックス投資は「みんなの平均」に合わせて投資する方法です。そのため、自分で良い会社を見つけて「平均よりもっと儲けたい」という人には向いていません。
自分で選んで勝ちたい、という人には、少しつまらなく感じるかもしれません。
4. 高すぎる時に買うと損をしやすい
市場全体の値段が高いときに買ってしまうと、そのあとに下がった場合、長い間マイナスが続くことがあります。
たとえば、日本のバブル時代に日経平均株価が約39,000円になった後、30年以上にわたって当時の値段を超えていませんでした。
タイミングによっては、長くつらい時期があることも覚えておく必要があります。
5. 特定の業種や国の影響を受けやすい
インデックスといっても、どんな会社を多く含んでいるかはそれぞれちがいます。
たとえば、アメリカのS&P500は、AppleやMicrosoftなどの「ハイテク企業」がたくさん入っています。
こうした企業が不調になると、S&P500全体の成績も悪くなってしまいます。また、日本のインデックスは、日本経済の影響を強く受けやすいという特徴もあります。
インデックス投資の始め方
1. 証券口座を開設する
インデックス投資を始めるには、まずネット証券で口座を開設しましょう。
おすすめの証券会社
💡 NISA(新NISA)口座を利用すると非課税で運用できるので、活用するのがおすすめです。
2. 投資するインデックスを決める
インデックスファンド(投資信託)やETF(上場投資信託)を選びます。
おすすめのインデックス
インデックス | 特徴 |
---|---|
S&P500 | 米国の代表的な500社に投資。過去の成長率が高く人気 |
全世界株式(オール・カントリー) | 世界中の株式に分散投資できる |
日経平均株価・TOPIX | 日本の株式市場に投資 |
先進国株式・新興国株式 | 先進国・新興国の市場に投資 |
💡 S&P500や全世界株式(オルカン)が初心者におすすめ!
3. 投資方法を決める
投資信託 or ETF?
・投資信託:少額から積立可能。初心者向け。
・ETF:リアルタイムで売買できる。手数料が安い。
積立投資 or 一括投資?
・積立投資(ドルコスト平均法):価格変動のリスクを抑えられるので初心者向け。
・一括投資:市場が割安なタイミングならリターンが大きくなる可能性あり。
💡 初心者は「投資信託 × 積立投資」がおすすめ!
4. 購入する
証券口座で以下のように設定すればOK。
1. NISA口座を選択(可能なら)
2. 商品を選ぶ(例:S&P500)
3. 毎月の積立額を決める(3,000円~1万円など)
4. 自動積立を設定
5. 購入完了!あとは放置でOK!
インデックス投資で失敗しない7つのコツ
インデックス投資は、初心者の方でも始めやすく、コツコツ資産を増やせる方法として人気です。しかし、続け方を間違えると損をしてしまうこともあります。
ここでは、失敗しないために大切な7つのポイントをご紹介します。
1. 長い目で見て、目先の値動きに左右されないこと
インデックス投資の一番の強みは「時間が味方になること」です。ただ、始めたばかりの頃は、株価が上がったり下がったりするたびに不安になってしまう方も多いです。
とくに株価が大きく下がる「暴落」が起きたときには、冷静でいることがとても大事です。「市場は時間とともに成長する」という前提を忘れないようにしましょう。
✅ ポイント
・毎日の値動きに一喜一憂しない。
・10年、20年といった長い期間で考えることが大切。
2. 積立投資を活用し、タイミングを分散する
いっぺんに大きな金額を投資するのではなく、毎月同じ金額を積み立てる「定額積立」が効果的です。
この方法を使うと、価格が高いときは少なめに、安いときは多めに買うことができるため、平均してちょうどよい価格で買えるようになります。
✅ ポイント
・毎月の積立を習慣にする(つみたてNISAやiDeCoもおすすめ)
・相場の上下に関係なく、コツコツと続けるのが成功のカギ
3. 手数料が安いファンドを選ぶ
インデックス投資のメリットの一つは、手数料が安いことです。ただし、投資信託やETFごとに手数料(信託報酬)が違うので注意が必要です。
長く投資をするほど、手数料の差が資産に大きく影響してきます。少しでも手数料が安いものを選びましょう。
✅ おすすめの低コストインデックスファンド
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(信託報酬0.0814%)
・SBI・V・S&P500(信託報酬0.0938%)
・eMAXIS Slim 全世界株式(信託報酬0.05775%)
・楽天・全世界株式インデックス・ファンド(信託報酬0.191%)
✅ ポイント
・信託報酬が0.2%以下 のファンドを選ぶ。
・高コストなアクティブファンドには手を出さない。
4. 投資対象の分散を意識する
「アメリカの株だけ」など、1つの地域や分野にかたよった投資はリスクが高くなります。
世界中の株や、債券・金(ゴールド)などを組み合わせることで、値下がりのリスクを減らすことができます。
✅ ポイント
・米国株(S&P500)に集中しすぎない。
・全世界株や債券なども少し取り入れる。
5. レバレッジ商品に手を出さない
「レバナス」など、短期間で大きな利益を狙える商品もありますが、値動きが激しく、長期の投資には向いていません。
初心者の方は特に、こういった商品には手を出さないほうが無難です。
✅ ポイント
・レバレッジ型商品は長期投資には不向き。
・安定したインデックスファンドを中心に投資する。
6. 投資のルールを途中で変えない
ニュースやSNSの情報で気持ちが揺れて、「個別株に切り替える」「一括で買いたくなる」などと、投資方針をコロコロ変えてしまう方がいます。
最初に決めたルールを守ることが、インデックス投資の成功につながります。
✅ ポイント
・一度決めた投資方針を貫く。
・短期的なニュースに惑わされない。
7. 毎日のように資産を確認しない
資産の増減が気になって、毎日アプリを開いてしまう…そんな方も少なくありません。ですが、あまりに頻繁に確認すると、感情が動きすぎて無駄な売買につながることもあります。
✅ ポイント
・資産のチェックは「3ヶ月〜半年に1回」程度で十分。
・アプリの通知をオフにするのもアリ。
まとめ
インデックス投資は、初心者でも続けやすく、長い時間をかけて資産を増やしていける方法です。以下のポイントを意識して、安心して続けましょう。
✅ 低コストなインデックスファンドを選ぶ
✅ 積立投資で長期運用する
✅ 税制優遇制度(NISA・iDeCo)を活用する
✅ 短期の値動きに惑わされない
「市場に残り続けた人が最後に勝つ」とよく言われます。焦らず、じっくりと、あなたのペースで資産を育てていきましょう。