「業績は悪くないのに株価が上がらない…」
「もしかして信用買い残が多いせい?」
そんな疑問を持って検索されたのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、信用買い残が多い銘柄は株価が重くなりやすい傾向があります。
その理由は会社の中身よりも、売りたい人の多さ=需給の重さにあります。
この記事では、なぜ信用買い残が多いと株価が上がらないのか、その仕組みと対処法まで順番に解説します。
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信用買い残が多いと株価は上がらないのは本当

まず大前提として、信用買い残が多い状態は、これから売る可能性のある人がたくさんいる状態を意味します。
株価は買う人が多いと上がり、売る人が多いと下がるという単純な仕組みで動きます。
つまり、将来の売りが多い銘柄は上値が抑えられやすいというわけです。
ここからは、その理由を具体的に見ていきます。
1. 信用買い残が多い=将来の売り圧力予備軍が多い状態
信用買い残が多い銘柄は、まだ売っていないだけで、いずれ売る人が多い状態です。
信用買いは、借りたお金で株を買い、あとで売って返済する取引になります。つまり最終的には売らなければなりません。
たとえば、買い残が積み上がっている銘柄では、次のようなことが起こりやすくなります。
- 株価が少し上がると利益確定の売りが出やすい
- 株価が戻ると含み損の人が売りに出る
- 上昇の勢いが長続きしにくい
このように、上がるほど売りが出やすい構造があるため、株価の上値が重くなります。
2. 上がると売られやすくなるやれやれ売りの仕組み
株価が上がらない理由の一つが、やれやれ売りです。
これは、含み損を抱えた人が「やっと戻った、助かった」と安心して売る動きになります。
例えば1,000円で信用買いした人が、株価下落で800円になったとします。その後1,000円に戻った瞬間、「もう怖いから売ろう」と考える人が増えます。
この売りが重なると、株価はそこで止まりやすくなります。
ポイントは心理です。
- 損を抱えた人は早く逃げたい
- 同じ価格帯に売り注文が集まりやすい
- 何度も同じ場所で跳ね返される
この状態が続くと、上がりそうで上がらない株になります。
3. 需給が悪化すると好材料が出ても伸びにくい理由
「決算が良かったのに株価が上がらない」という経験はありませんか。
これは需給が悪い典型例です。
買い材料が出ても、信用買い残が多いと売りが先に出てしまいます。
株価は材料だけでは動きません。売りと買いのバランスで決まります。
買い残が多い銘柄では、
- 良いニュース → 上昇 → 戻り売り
- 上昇幅が小さく終わる
- 結果として材料が効かない
という流れになりやすい傾向があります。
信用買い残とは?初心者向けに仕組みを解説
ここまで読んで、そもそも信用買い残って何?と思った方もいるはずです。
難しく聞こえますが、意味はシンプルです。借りたお金で買われたまま、まだ売られていない株の量を表しています。
1. 信用取引の基本|現物取引との違い
普通の株取引は自分のお金で買います。一方、信用取引は証券会社からお金や株を借りて売買します。借りたものは期限内に返す必要があります。
| 項目 | 現物取引 | 信用取引 |
| 資金 | 自分のお金 | 借りたお金 |
| 期限 | なし | あり |
| 最後 | 持ち続けられる | 返済が必要 |
この最後は売る必要がある点が、株価に影響を与えます。
2. 信用買い残はどこで確認できる?
信用買い残は多くの証券会社の取引画面で確認できます。また、株情報サイトでも公開されています。チェックするときは次を見てください。
- 買い残の増減
- 過去と比べて多いか少ないか
- 出来高とのバランス
数字だけを見るのではなく、増えているかどうかが重要です。
YAHOOファイナンスだと、メニューの時系列→信用残時系列から見れます。

3. 買い残と売り残の違い
買い残は将来の売り予備軍、売り残は将来の買い戻し予備軍になります。
売り残が多いと株価が急に上がることがありますが、買い残が多い場合は逆に上値が重くなりやすいです。この差を理解しておくと判断が楽になります。
信用買い残が多いと株価が上がらない3つの理由
ここからは、なぜ信用買い残が多いと株価が伸びにくくなるのかを整理していきます。
株価が思うように上昇しないのには、感覚ではなく、はっきりとした需給の背景があります。
理由① 上値で戻り売りが出やすい
信用買い残が多い銘柄には、高値づかみしている投資家が多く存在します。
そのため、株価が少し戻っただけで
「やっと戻ったから売ってしまおう」
という売りが出やすくなります。
同じ価格帯で何度も売りが出ることで、そこが壁のようになり、株価は何度も跳ね返されます。
結果として、上昇しようとしても売りに押し戻されやすい状態が続いてしまうのです。
理由② 下落すると追証リスクで投げ売りが出る
信用取引では、損失が一定以上に膨らむと追加で資金を入れる「追証(おいしょう)」が必要になります。
これを避けるために、
- これ以上損を広げたくない
- 追証を払いたくない
と考えた投資家が一斉に売りに回ることがあります。
すると売りが売りを呼び、下落が一気に加速しやすくなります。つまり信用買い残が多いほど、下方向への値動きは不安定になりやすいのです。
理由③ 短期資金が多く長期資金が入りにくい
信用買いを使う投資家の多くは、短期売買を目的としています。
短期資金は
- 少し上がったらすぐ売る
- 思惑が外れたらすぐ撤退する
という特徴があります。
そのため、株価をじっくり押し上げてくれる長期保有の資金が入りにくくなり、株価が安定して上昇しにくい状況が生まれます。
結果として、上がる前に売られる銘柄になりやすい。これが信用買い残が多い銘柄の弱点です。
株価が上がるケースはある?
信用買い残が多い=絶対に上がらない、というわけではありません。
重要なのは、売り圧力を上回る買い材料があるかどうかです。
代表的なパターンを見ていきましょう。
1. 強烈な好材料や業績急拡大がある場合
企業の成長スピードが想像以上に速いと、多少の売り圧力があっても新たな買いがそれを吸収していきます。
例えば
- 想定を大きく上回る決算
- 業績の上方修正
- 大型の提携や新規事業の発表
といった材料が出ると、需給の悪さよりも将来性が優先されます。
その結果、戻り売りをこなしながらでも株価が上昇していくケースがあります。
決算の見方は下記の記事からご覧ください。
2. 信用買い残をこなしながら上がる踏み上げ相場
株価が下がると見て売っていた投資家(空売り勢)が多い場合、株価が上昇し始めると、損失を抑えるために買い戻しが発生します。
この買い戻しの連鎖が起こると、株価は一気に上昇することがあります。
これがいわゆる踏み上げ相場です。
売り方の買い戻しが、さらなる上昇を呼ぶため、需給が一時的に大きく改善し、強い上昇トレンドになることもあります。
空売りが何か知らない人は、下記の記事で解説しているのでご覧ください。
3. 出来高が急増して需給が改善するパターン
出来高が急増すると、市場参加者が入れ替わりやすくなります。
売りたい人の株が新しい買い手に渡ることで、溜まっていた信用買い残が徐々に整理され、需給が軽くなることがあります。
特に
- 材料発表後の出来高急増
- トレンド転換を伴う資金流入
といった場面では、需給の悪さが改善し、株価が上昇しやすい状態に変わることもあります。
信用買い残が多い銘柄に手を出す前に見るべきポイント
買う前には、必ず確認しておきたいポイントがあります。
1. 株価位置|高値圏か安値圏か
同じ信用買い残が多い銘柄でも、株価の位置によって意味が変わります。
特に注意したいのが高値圏で買い残が積み上がっているケースです。この場合、含み損を抱えた投資家が増えやすく、戻り売りが出やすいため、株価は重くなりがちです。
一方で、安値圏での買い残は底打ちを狙った資金の可能性もあり、状況次第では悪い材料にならないこともあります。
👉 まずは、今どの価格帯にいるのかを必ずチェックしましょう。
株価位置を判断できるチャート分析に関しては、下記の記事で解説しています。
2. 出来高|売買エネルギーがあるか
出来高は、その銘柄にどれだけ資金が集まっているかを示す重要なサインです。
出来高が少ない状態だと、買い残がなかなか整理されない、売りが出たときに支えが弱いといった状態になりやすく、株価が下げやすくなります。
逆に、出来高が増えている局面では、買い残をこなしながら上昇するパターンも出てきます。
👉 買い残の多さだけでなく、それを消化できるエネルギーがあるかを見ることが大切です。
3. 信用倍率だけで判断してはいけない理由
信用倍率は目立つ数字ですが、倍率の高さだけで良し悪しは決まりません。
本当に重要なのは、増減の流れです。
- 買い残が急増している → 需給が悪化しているサイン
- 買い残が減っている → 売り圧力が軽くなっている可能性
- 売り残が増えている → 将来の買い戻しエネルギーになる場合も
このように、時系列での変化を見ることが重要です。
1週間前、2週間前と比べてどう動いているかをチェックしましょう。
4. 株価の動きと買い残の関係も確認する
もう一歩踏み込むなら、株価の動きと買い残の増減をセットで見ましょう。
株価が下がっているのに買い残が増えている
→ ナンピン買いが増えている可能性(上値が重くなりやすい)
株価が上がりながら買い残が減っている
→ やれやれ売りが進み、需給が改善している可能性
この関係を見ることで、「これから軽くなりそうか」「まだ重そうか」が判断しやすくなります。
信用買い残が多いときの正しい立ち回り方
最後に、実際の対処法を整理しておきましょう。
1. 短期トレードなら戻り売り目線を持つ
信用買い残が多い銘柄は、上値が重くなりやすい傾向があります。そのため、むやみに高値追いをするよりも、戻ったところで売り場を探す目線が有効になりやすいです。
特にこんな動きには注意です。
- 急騰後に伸び悩んでいる
- 何度も同じ価格帯で跳ね返されている
このような場面では、上にしこりが溜まっている可能性があり、売りが出やすくなります。
👉「上に行ったら売られやすい銘柄かもしれない」という前提でチャートを見ることが大切です。
おすすめのチャートツールは、TradingViewです。様々な分析ができます。
2. 中長期投資なら需給改善を待つ
中長期で狙うなら、無理に今入る必要はありません。
買い残が減って需給が軽くなるのを待つのも、立派な戦略です。
買い残が整理されると、
- 上値の売り圧力が弱くなる
- 株価が素直に上がりやすくなる
といった変化が起きやすくなります。
いい会社だけど株価が重いと感じる銘柄ほど、焦って入るよりも需給が整うタイミングを待ったほうが結果的に有利になることが多いです。
👉 投資は早く入ることより有利な位置で入ることの方が重要です。
3. なぜ上がらないのか分からない株に手を出さない勇気
信用買い残が多い銘柄の中には、
「業績は悪くないのに上がらない」
「材料もあるのに動かない」
という株もあります。
こうした銘柄は、自分が見えていない悪材料や重い需給を抱えている可能性があります。
理由がはっきりしないまま手を出すのは、ギャンブルに近い行動になってしまいます。
分からないときは、
- 無理に触らない
- 他に分かりやすい銘柄を探す
これだけでも、大きな損失を避けられることがあります。
👉 何もしないことも、立派なトレード判断のひとつです。
まとめ:信用買い残の多さは将来の売り圧力
信用買い残が多いということは、すでに多くの人が買っている状態です。
これは一見強そうに見えますが、実際には
- 戻れば売りたい人が多い
- 下がれば投げ売りが出やすい
- 短期資金ばかりで長期資金が入りにくい
という、将来の売り圧力を抱えている状態でもあります。
株価がなかなか上がらない銘柄を見たときは、チャートだけでなく、信用買い残という見えない重さも意識してみることが大切です。
需給を理解するだけで、ムダな高値づかみをかなり減らせるようになります。

