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テクニカル分析とは?基本指標と具体的な活用方法を徹底解説

2025年2月13日

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株式投資において「テクニカル分析」とは、株価の動きや取引量(出来高)を元にして、これからの値動きを予想する方法のことを指します。

特に、短期〜中期で売り買いをくり返す投資では、この方法がよく使われています。なぜなら、売る・買うのタイミングを見つけやすくなるからです。

この記事では、テクニカル分析の基本的な考え方に加え、よく使われる指標や、実際にどう活かすのかといったポイントも解説していきます。

テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは、「市場の動きにはすべての情報がすでに反映されている」という考え方に基づき、過去の株価の動きや出来高の流れを見て、これからの値動きや流れの変わり目を予想する方法です。

企業の業績や景気の流れなどを調べる「ファンダメンタル分析」と比べて、よりシンプルに、すばやく判断できるのが特徴です。

そのため、短い期間で売買をする人(たとえばデイトレードやスイングトレードを行う人)によく使われています。

1. テクニカル分析のメリット

・すぐに売買の判断ができる

チャートを見ながら、相場の流れや形の変化をすぐに読み取ることができるため、タイミングを逃さずに「買う」「売る」の判断がしやすくなります。

・目で見て流れをつかみやすい

サポートライン」や「レジスタンスライン」、それから「移動平均線」などを使うことで、株価がどこで止まりやすいのか、どちらに向かっているのかが視覚的にわかります。

・感情に流されにくくなる

数字や形に注目する分析のため、感情に左右されずに冷静な判断をしやすくなります。とくに初心者の方には、売り買いのルールを決める手がかりになります。

2. テクニカル分析のデメリット

・急なニュースには弱い

テクニカル分析はあくまで「過去の動き」をもとに考える方法です。ですので、突然のニュースや大きな事件があったときには、対応が遅れることがあります。

・人によって見方が違うこともある

同じチャートを見ても、人によって「上がりそう」「下がりそう」と感じる判断が変わることがあります。そのため、複数の見方(指標)を組み合わせて考えることが大切です。

・完ぺきな予想はできない

どれだけ経験を積んでも、テクニカル分析だけで完全に未来を当てることはできません。「参考にする道具のひとつ」として使い、過信しすぎないことも大切です。

テクニカル分析とファンダメンタル分析の比較

テクニカル分析とファンダメンタル分析の比較

分析手法 テクニカル分析 ファンダメンタル分析
目的 株価の動向予測 企業価値の評価
分析対象 株価、出来高、チャートパターン 財務諸表、経済指標、業績
時間軸 短期〜中期 中長期
利用者 デイトレーダー、スイングトレーダー 長期投資家
メリット 即時の売買判断が可能 企業の本質的価値を把握可能
デメリット 急変リスクに弱い 短期的な変動に対応困難

両手法を組み合わせることで、ファンダメンタルで優良銘柄を選定し、テクニカルでエントリータイミングを判断する戦略が有効です。

たとえば、当ブログで紹介している決算銘柄も、このハイブリッド戦略の一例です。

テクニカル分析で使われる主な指標

テクニカル分析で使われる主な指標

テクニカル分析には多数の指標が存在しますが、ここでは特に重要なものをいくつかピックアップして解説します。

1. トレンド系指標

・移動平均線 (Moving Average)

移動平均線 (Moving Average)

一定期間の株価平均を線グラフとして描くことで、上昇・下降トレンドを視覚的に判断します。

ゴールデンクロスやデッドクロスは、売買シグナルとして多くの投資家に注目されています。

移動平均線についての詳しい解説は、下記の記事でご覧ください。

・ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)

ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)

株価の変動幅(ボラティリティ)をバンドとして表示し、相場の過熱感や逆張りのタイミングを判断します。

ボリンジャーバンドについての詳しい解説は、下記の記事でご覧ください。

・一目均衡表

一目均衡表

複数のラインから相場の勢いと転換点を総合的に捉え、サポート・レジスタンスやトレンドの継続性を判断します。

一目均衡表についての詳しい解説は、下記の記事でご覧ください。

2. オシレーター系指標

・RSI(相対力指数)

RSI (Relative Strength Index)

株価の買われすぎ・売られすぎを示す指標。一般的に70以上は買われすぎ、30以下は売られすぎと見なされ、反転の可能性を探る際に利用されます。

RSI(相対力指数)についての詳しい解説は、下記の記事でご覧ください。

・MACD(マックディー)

MACD (Moving Average Convergence Divergence)

短期と長期の移動平均線の差分から、トレンドの転換点や勢いを捉えるための指標です。シグナルラインとのクロスが売買のタイミングとして注目されます。

MACD(マックディー)についての詳しい解説は、下記の記事でご覧ください。

3. 出来高系指標

・出来高(Volume)

出来高(Volume)

取引量の増減は、トレンドの信頼性や市場参加者の意欲を示すため、株価の動向と合わせて分析されます。

・VWAP(Volume Weighted Average Price)

VWAP(Volume Weighted Average Price)

出来高を加味した平均価格で、大口投資家の動向を把握する際に利用されます。

テクニカル分析の具体的な活用方法

テクニカル分析の具体的な活用方法

実際のトレードでテクニカル分析を活用する際のポイントをいくつかご紹介します。

1. トレンドの確認とエントリー判断

トレンドの確認による売買判断

株価が移動平均線より上にある場合は上昇トレンド、下にある場合は下降トレンドと判断します。ゴールデンクロスが出現した際は買い、デッドクロスでは売りのシグナルとされます。

2. オシレーター指標によるタイミングの判断

オシレーター系指標を使った売買タイミングの把握

RSIが70を超えた場合は「買われすぎ」の警告、30以下の場合は「売られすぎ」と判断し、逆張りのエントリーポイントとして注視します。

3. 出来高の増加でトレンドの信頼性を確認

出来高を利用したトレンドの強さ確認

価格上昇局面で出来高が同時に増加している場合、トレンドに信頼性があると判断し、ポジションの継続や追加投資を検討します。

4. サポートライン・レジスタンスラインの活用

サポートライン・レジスタンスラインの活用

過去の価格変動からサポートライン(下値支持)とレジスタンスライン(上値抵抗)を引き、ラインのブレイクを売買判断の根拠とします。

ラインを大きく上抜けたら買い、下抜けたら売りを検討する戦略が有効です。

テクニカル分析に使うチャートツール

テクニカル分析を実践するには、高機能なチャートツールの活用が不可欠です。

ここでは、初心者から上級者までおすすめできる主要ツールをいくつかご紹介します。

1. TradingView(トレーディングビュー)

TradingView(トレーディングビュー)

TradingViewは、ブラウザ上で利用可能な高機能チャートツールです。

豊富なテクニカル指標(RSI、MACD、ボリンジャーバンド等)が搭載され、他の投資家との情報交換機能も充実しているため、投資判断の精度向上に役立ちます。

詳しくはコチラ

2. kabuステーション

kabuステーション

三菱UFJ eスマート証券が提供する無料チャートツールです。

多彩なテクニカル指標を自由に組み合わせられるため、銘柄のスピーディな分析が可能です。最大2,000銘柄を登録できる点や、監視銘柄の概要メモ機能が特徴です。

詳しくはコチラ

3. 株探(かぶたん)

株探(かぶたん)

株探は、基本的なテクニカル指標を備えた使いやすいチャートツールです。

関連ニュースと連動してチャートを確認できるため、情報収集の効率が高い点が魅力です。

基本機能は無料で利用できますが、ヒストリカルPERや1年以上前の日足チャートを閲覧する場合は「株探プレミアム」への申し込みが必要です。

詳しくはコチラ

4. Yahoo!ファイナンス

Yahoo!ファイナンス

Yahoo!ファイナンスでは、最大10年分のチャートや基本的なテクニカル指標が利用可能です。

シンプルな操作性から初心者にも扱いやすいですが、より高度な分析を求める場合は他ツールとの併用がおすすめです。

詳しくはコチラ

5. 証券会社のチャートツール

他にも証券会社ごとに提供されているチャートツールはあります。

無料で利用できるので、気になる方は口座を開設して試してみてください。

まとめ

テクニカル分析は、過去の株価の動きから今後の流れを予想する方法です。短期や中期で売買をする方にとって、売る・買うタイミングを考えるうえで役立つ道具になります。

ただし、ニュースや大きな出来事による急な変化には対応しにくいため、会社の業績なども一緒に見ることが大切です。

これから始める方は、基本の指標を学びながら、実際のチャートをたくさん見ることで経験を積むのがおすすめです。

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