サンウェルズ(9229)は、医療・介護分野で高い実績を持ち、特にPDハウス事業における成長が注目されています。
2024年4Q決算では、どのような数値が示されたのか、またPDハウス事業の拡大や施設の高稼働率の維持が今後の株価にどのように影響するのかについて、詳しく分析していきます。
この記事では、事業内容と経営戦略を踏まえながら、投資家が押さえるべきポイントを解説します。
サンウェルズの事業内容は?
サンウェルズ株式会社は、パーキンソン病の患者を対象とした専門施設「PDハウス」を展開する企業です。医療・介護を中心とした社会課題解決を目指し、持続可能な社会の実現を目指しています。
PDハウスとは?
PDハウスとは、パーキンソン病(PD)および関連する運動障害を持つ患者さんに特化した専門施設のことです。これらの施設は、患者さんがより良い生活を送るために必要な医療、リハビリテーション、支援を提供しています。
パーキンソン病患者とその家族にとって、心強い支援を提供する存在であり、病気と向き合う上での重要なリソースとなっています。
パーキンソン病とは?
パーキンソン病は、中枢神経系の慢性的な進行性障害であり、主に運動機能に関する問題を引き起こす神経変性疾患です。
この病気は、しばしば手の震え、筋肉のこわばり、動作の遅さ、姿勢の不安定さなどの症状を引き起こします。
高齢者に多く見られますが、若年性のケースもあります。
2022年末でパーキンソン病及び関連疾患の患者数は、約197,000人います。
サンウェルズの決算分析(2024年3月期決算短信)
2024年5月9日に発表された決算短信を基に、サンウェルズの決算分析をしています。
サンウェルズの決算情報は株探で確認できます。成長性や収益性、業績修正の一覧を確認するには、株探プレミアムの申し込みが必要です。
今回の決算で重視するべき点は下記の通りです。
- 売上高と利益の増加
- PDハウス事業の拡大
- 資本の増加と先行投資
- 今後の見通し
それぞれについて詳しく見てみましょう。
売上高と利益の増加
売上高は前年比55.7%増の213億6000万円となり、予算達成率は101.6%。EBITDAは122.8%増の43億2000万円、営業利益は143.4%増の34億9000万円、経常利益は157.6%増の29億3800万円、純利益は159.2%増の20億3200万円。
いずれも前年同期比で大幅に増加しています。
PDハウス事業の拡大
2024年3月期に9施設を新規開設し、合計で31施設となりました。
稼働率も高く、既存施設の稼働率は平均で97%、新規施設も早期に82%の稼働率を達成。新規施設の早期集客が順調で、待機者数も300名を超えています。
資本の増加と先行投資
施設開設のための先行投資が増加し、自己資本比率は低下しましたが、資産と負債のバランスを保ちつつ成長を続けています。
フリーキャッシュフローはマイナスですが、利益の積み上げにより2027年3月期にはプラス転換を予定しています。
今後の見通し
- 売上高28,807百万円(前年比34.9%増)
- 営業利益4,860百万円(同39.2%増)
- 経常利益4,006百万円(同36.4%増)
- 当期純利益2,627百万円(同29.3%増)
「PDハウス」の全国展開を加速し、次期には12施設の新規開設を計画しています。
2025年3月末時点で全国43施設の展開を目指しています。
定員数は2,325名、平均稼働率は88%、入居者一人当たりの平均月単価125万円を予定。
2027年3月期、76施設・定員数4,140名。2030年3月期、140施設・定員数7,700名を計画しています。さらに、「在宅療養者向け訪問看護事業」を開始することを発表しています。
サンウェルズの株価予測(2024年3月期決算短信)
PDハウス事業の拡大と高稼働率の維持は、今後の成長性を期待させる材料です。
待機者数の増加も需要の強さを示しており、さらに施設拡大の計画が順調であることは株価の上昇要因となり得ます。
目標株価の予測
5月10日に目標株価を設定
3,041円~4,637円を目標
次の決算発表(約3ヶ月後)までの目標株価です。これは独自のルールに基づいて算出していますが、必ずしもこの株価に到達するとは限りません。
目標株価の結果
最高値の株価
6月7日に2,879円まで上がったものの目標株価に到達せず。
決算翌日始値2,750円、最高値2,879円、+4.6%上昇。
8月28日:次の決算発表後に設定した目標株価(3,041円)に到達しています。
サンウェルズのチャート分析
チャート画像は「TradingView」のものを使用しています。日足以外のチャートは、TradingViewのサイトかアプリてご確認ください。
5月10日
野村証券が目標株価を2,500円から3,490円に修正しています。
6月3日
決算発表から5月末にかけて下落しましたが、持ち直してきました。
8月2日
日経暴落の影響によりサンウェルズも大きく下げています。業績内容で下げたのではなく、地合いによるものです。翌日8月5日にも大きく下げています。
まとめ
2024年3月期の決算を基にしたサンウェルズ(9229)を分析し予測を出しました。
全国的には競合企業がほとんど存在しない上、パーキンソン病および関連疾患の患者数は依然として多いため、業績は今後も右肩上がりで成長すると見込まれます。
投資判断の参考にしていただければ幸いです。