「自分に株のセンスがあるのか知りたい」と思ったことはありませんか?
なんとなく買って、なんとなく売る。それではなかなかうまくいかないものです。
けれども、センスは生まれつきだけではありません。コツを知り、ふり返りながら身につけていくこともできます。
この記事では、あなたの今の力を確かめる簡単な診断と、伸ばすための考え方をご紹介します。
株のセンスって何?
株のセンスとは、簡単に言えば「株をうまく売買するための感覚」や「判断力」のことを指します。ですが、これは生まれつきの才能ではなく、経験と知識で身につけることができます。
なぜこれを知ることが大切かというと、センスがあるかどうかを知ることで、自分の得意・不得意を把握でき、伸ばす方向もわかるからです。
たとえば、株のセンスがある人には次のような特徴があります。
- 決算やニュースを見て、株価がどう動くかを自分で考えられる。
- 他の人の意見に流されず、自分の考えを持てる。
- 損をしても、焦らずに冷静に次の行動を選べる。
このように、センスがあるかどうかは「自分の考えを持って行動できるか」に関係しています。
逆に、「みんなが買っているから自分も買う」「下がったから慌てて売る」などは、感覚がまだ育っていないサインかもしれません。
つまり、株のセンスとは「落ち着いて考え、正しい行動を選ぶ力」です。そしてそれは、後からでも伸ばせるものなのです。
「株のセンスがある人」診断チェックリスト
「自分には株のセンスがあるのかな?」と思ったときは、以下のリストを使ってみましょう。
次の質問に「はい」か「いいえ」で答えてみてください。
質問 | はい | いいえ |
---|---|---|
① 株を買う前に、その会社について調べている | ☐ | ☐ |
② 損をしても、感情的にならずに理由を考えられる | ☐ | ☐ |
③ 他人のSNSやニュースで判断を変えないようにしている | ☐ | ☐ |
④ 株価が動いた理由を、自分なりに考えてみることがある | ☐ | ☐ |
⑤ 上がった株よりも、理由があって下がった株に興味がある | ☐ | ☐ |
「はい」が3つ以上ある方は、すでに株のセンスが育ち始めていると言えるでしょう。逆に「いいえ」が多かった方は、これから伸びしろがたくさんあるということです。
このチェックリストでわかること
この診断を通して、自分の「考え方のクセ」や「行動のパターン」に気づけるようになります。
たとえば、
・いつの間にか感情で動いてしまっていた。
・周りの人の意見に流されていた。
といったことに、自分で気づけるようになるかもしれません。
まずは「今の自分を知ること」が、株のセンスを伸ばす第一歩です。
焦らず、少しずつ自分の考え方を磨いていきましょう。
株のセンスを磨くための毎日の習慣
株のセンスは「生まれつきの才能」ではありません。正しい習慣をコツコツ続けることで、誰でも伸ばしていくことができます。
ここでは、明日からすぐに始められる方法をご紹介いたします。
1. 毎日1つ企業の決算を見る
まずは、知っている会社や、身近に感じる企業から始めると続けやすくなります。
「売上は増えているのか?」「利益は出ているのか?」といった基本的な数字を、自分の目で確認することが大切です。
数字を見る習慣をつけると、自然と会社の良し悪しがわかるようになってきます。
決算については、「決算短信とは?株初心者が知っておくべきポイントを詳しく解説」からご覧ください。
2. 「なぜ買ったか・なぜ売ったか」を書き残す
この習慣は、自分の考え方やクセを知るためにとても役立ちます。
あとから見返すことで、「感情で動いていたな…」と気づくこともあります。
書くことによって、同じ失敗をくり返さないようになっていきます。
3. 買わない日でも、チャートを観察してみる
売買をしない日でも、チャートを見て「なぜこう動いたんだろう?」と考えることが大切です。
毎日見ることで、相場の動きに少しずつ慣れてきますし、「ここが買い時かも」と思える感覚も養われていきます。
株のチャートについては、「テクニカル分析とは?基本指標と具体的な活用方法を徹底解説」からご覧ください。
4. 朝のニュースに目を通してみる
毎朝10分だけでも、経済や社会のニュースを読む時間をつくると、自然と「世の中の流れ」がわかるようになります。
スマートフォンで新聞アプリを見たり、ニュース番組をチェックするだけでも十分です。
5. 気になる会社をアプリに登録する
株価アプリを使って、気になる会社をいくつか登録しておくと便利です。
「今日は上がってる?下がってる?」と日々の変化をチェックするだけでも、相場の動きに少しずつ慣れていくことができます。
どの証券会社でも専用のアプリが用意されています。

株のセンスを育てた成功例
1. 少額投資で経験を積んだAさんの場合
株のセンスを伸ばすには、まず「場数を踏むこと」がとても大切です。
Aさんは初めから大きな金額を使わず、少ないお金で実践しながら学んでいきました。
たとえば以下のような工夫をされています。
・1回あたりの投資額は5万円以下に限定。
・1つの銘柄にこだわらず、業種ごとに挑戦。
・値動きを毎日記録し、感情と結果をセットで振り返り。
このように小さなチャレンジをくり返すことで、「値動きのクセ」や「自分の得意パターン」に気づけるようになります。
最初からうまくいく人はいませんが、回数を重ねれば、自然と「ここで買えばいいかも」という感覚が身についていきます。
Aさんの投資ステップ(例)
✅ ステップ 内容
・1回目 コンビニ銘柄を購入(3万円)
・2回目 通信会社を購入(5万円)
・3回目 建設業に挑戦(4万円)
・4回目 日用品メーカーへ分散投資
少額であっても、「自分で買ってみた」経験が、あとで大きな財産になります。
2. 決算書を読むクセをつけたBさんの習慣
株のセンスを育てるうえで、「会社の中身を知ろうとする気持ち」が欠かせません。
Bさんは毎日のように決算書を読む習慣をつけ、自分なりに企業の健康状態を見極める目を養ってきました。
なぜそれが大切なのかというと、株価は人気だけでなく「中身」で決まることが多いからです。
Bさんは以下のように読み方を決めています。
・前最初に「売上」「利益」だけを見る。
・含増えていれば「なぜ伸びたのか」を調べる。
・減っていれば「何が原因か」を探す。
特に「前年と比べてどう変化したか」に注目し、数字の裏側にある物語を見ようとしています。
このような読み方を続けることで、株価が動く理由が少しずつわかるようになっていきました。
一見むずかしそうな決算書も、毎日見ていると数字のクセに慣れてくるものです。
3. 自分ルールを守り続けたCさんのマイルール投資術
株の売買は、感情が入りやすいため、「自分ルール」がとても大事になります。
Cさんは過去の失敗から学び、「こうなったら買う」「こうなったら売る」というルールを作り、それを守り抜いてきました。
たとえば、以下のようなルールです。
・前日の高値を超えたら買う
・含み益が10%になったら利益確定
・決算が悪ければすぐ手放す
このルールは、「感情」に流されるのを防いでくれます。
たとえ周りが「まだ上がる」と言っていても、自分のルールで売ることで、安心して取引ができるのです。
Cさんはこのルールを毎日ノートに書き写し、自分の頭と手で確認してきました。その積み重ねが、いざというときに「迷わない自分」を作ったのです。
株のセンスがない人にありがちなNG行動
1. なんとなくの雰囲気で買ってしまう
「なんとなく上がりそう」で株を買ってしまう人は、損をする確率が高くなります。なぜなら、理由や根拠がない買い方は、偶然に頼っているからです。
たとえば、「みんなが買っているから自分も買ってみた」「テレビで名前を聞いたから良さそう」など、思いつきで買った株は、少し値段が下がるだけで不安になり、すぐに手放してしまうことが多いです。
株は「なぜ買うのか」「どこで売るのか」など、自分で決めたルールがとても大切です。
ルールがないと、たとえ上がる株を持っていても、うまく利益を取れません。

2. 利益が出たらすぐ売り損は持ち続ける
利益が出るとすぐに売ってしまい、反対に損が出ている株はずっと持ち続ける。
この行動は多くの初心者に見られますが、センスを伸ばすには真逆を目指す必要があります。なぜなら、株で大きく利益を出すには「利益を伸ばし、損を小さくする」ことが基本だからです。
具体的には以下のような行動が見られます。
状況 | やってしまいがちな行動 | 結果 |
+3%の利益 | 「今のうちに利益を確定しよう」 | 小さい利益で終わる |
-10%の損失 | 「戻るまで待とう」 | 損がさらに膨らむ |
大切なのは「どうなったら売るか」を買う前に決めておくことです。

3. SNSの情報だけで株を選ぶ
SNSの情報に頼りすぎる人は、自分で考える力が育ちにくくなります。
その理由は、SNSでは「今上がっている銘柄」や「成功談」が多く流れてきますが、なぜそうなったのかの説明が少ないからです。
たとえば、次のような投稿をよく見かけます。
「この株がストップ高!やっぱり買ってよかった」
「この銘柄は爆上げすると思ってた」
「今ならまだ間に合う!」
これらの言葉に流されて買うと、売り時もわからず、そのまま下がって損をしてしまうことが少なくありません。
SNSはヒントとして見るのは良いですが、それをきっかけに「自分でも調べてみる」「決算やチャートを見て考える」ことが大切です。

4. 自分の売買を記録していない
自分が「いつ・なぜ・どの株を売買したか」を書き残していないと、いつまでも同じミスを繰り返してしまいます。
なぜなら、記録がないと「うまくいった理由」も「失敗した原因」もわからず、振り返ることができないからです。
たとえば、以下のような簡単なメモでも十分です
・買った日:5月10日
・銘柄:○○会社(1234)
・買った理由:「今期の利益が前年の2倍に増えていたから」
・売った理由:「予定より決算が悪かった」
このように、自分の売買に「理由と言葉」があれば、振り返るたびに学びが得られます。
記録をとることは、自分だけの先生を持つようなものです。

5. 買った後に「何もしない」
株を買ったあとにその会社のことを調べなくなったり、ニュースを見なくなったりすると、変化に気づけなくなります。
それはちょうど、「船に乗ったのに、どこへ向かっているか知らない」のと同じです。
理由は、企業の業績や社会の動きは日々変わっているからです。
買ったときには良かった会社でも、数ヶ月後には状況がガラッと変わることもあります。
たとえば、以下のような情報はこまめにチェックすべきです。
- 会社の決算発表
- 自分が持っている株に関係するニュース
- 業界全体の動き(競合会社の決算など)
株を買ったら終わりではありません。買ってからが「観察と判断のスタート」です。

まとめ
株のセンスは、生まれつきのものではありません。毎日のちょっとした意識や行動の積み重ねが、少しずつ力となってあらわれます。
今回のセルフ診断で「まだまだかも…」と思った方も、心配する必要はございません。正しい習慣を続けていけば、どなたでも成長することができます。
大切なのは、「気づくこと」と「続けること」。
小さな行動をコツコツ積み重ねることで、気がつけばあなたも株のセンスがある人になっているはずです。