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BPS(一株当たり純資産)とは?具体的な分析の実例と判断方法について詳しく解説

2024年7月26日

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BPS(一株当たり純資産)とは?企業の財務状態を評価するための指標

BPS(一株当たり純資産)は、1株当たりの純資産価値を表す指標です。BPSが高いほど、企業の財務基盤が安定していると評価されます。

この記事では、BPSの基本的な理解からその計算方法、具体的な分析の実例、そして投資判断にどのように活用するかを詳しく解説します。

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BPS(一株当たり純資産)とは?

BPS(一株当たり純資産)とは?

BPS(一株当たり純資産)とは、財務健全性を評価するために用いられる指標の一つです。純資産を発行済株式数で割ったもので、企業が持つ純資産のうち、一株に対する価値を示しています。

高いBPSは、一般的に財務的に健全であると考えられますが、それだけで投資判断をするのは危険です。他の財務指標や市場の状況と併せて判断することが重要です。

などの指標を組み合わせて分析することで、より正確な判断が可能になります。

どのくらいの頻度で変わる?

BPSは、純資産および発行済株式数が変動するたびに変わります。

これには、四半期ごとの決算報告、新株発行、自己株式の取得・消却、資産の評価替えなどが影響を与えます。特に決算期ごとに注目すると良いでしょう。

を見て、収益性がどのように変化しているかを分析します。

四半期ごとの決算報告に関しては、下記の記事からご確認ください。

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計算方法

BPSは、純資産を発行済株式数で割ることで算出されます。

最新のBPSは、株探Yahoo!ファイナンスなどで確認できますので、わざわざ計算する必要はありませんが、一応説明します。

以下の計算式で求められます。

BPSの計算方法

純資産:全資産から全負債を引いたもの
発行済株式数:発行している全ての株式の数

例1:シンプルなBPSの計算

  • 総資産:50億円
  • 総負債:20億円
  • 発行済株式数:100万株

この場合、次のように計算されます。

純資産=総資産−総負債=50億円−20億円=30億円

次に、BPSを計算します。

BPSの計算方法

したがって、一株当たり純資産は3000円となります。

例2:より複雑なBPSの計算

  • 総資産:120億円
  • 総負債:60億円
  • 発行済株式数:200万株
  • その他の資本調整:5億円(ストックオプションなど)

この場合、次のように計算されます。

純資産=総資産−総負債+その他の資本調整=120億円−60億円+5億円=65億円

次に、BPSを計算します。

BPSの計算方法

したがって、一株当たり純資産は3250円となります。

BPS(一株当たり純資産)の判断方法

4つの判断方法

  • 過去の推移を確認する
  • 業界平均との比較する
  • 長期投資の判断材料にする
  • 株価との比較する

それぞれについて詳しく見てみましょう。

1. 過去の推移を確認する

過去のBPSの推移を分析することは、財務健全性や成長性を評価するうえで重要です。

BPSが年々増加している場合、継続的に利益を上げ、純資産を増加させていることを示します。これは財務的に健全であることを意味し、ポジティブな評価ができます。

BPSが急激に増加または減少している場合、その原因を分析することが重要です。例えば、大規模な資産売却や買収、新株発行、自己株式の取得などが影響を与えることがあります。

長期的に見てBPSが安定している場合、一定の財務健全性を維持していると判断できます。特に、経済的な変動や業界の変化に対しても安定していることは重要です。

2. 業界平均との比較する

BPSを業界平均と比較することは、業界内でどの位置にあるかを判断するために重要です。

例えば、資産集約型の産業(銀行、不動産、製造業など)ではBPSが高い傾向にありますが、サービス業やテクノロジー企業ではBPSが低いことが多いです。

業界全体が成長している場合、BPSも上昇する傾向にあります。逆に、業界が低迷している場合、BPSも影響を受けることが多いです。

3. 長期投資の判断材料にする

BPSは企業が解散した場合に株主が受け取ることができる資産の価値を示します。解散価値を示すため、長期投資の判断材料として有効です。

高いBPSは、多くの純資産を持っていることを意味し、倒産リスクが低いと判断されます。財務的に安定した企業は、長期的に見て安心して投資できると考えられます。

4. 株価との比較する

BPSを株価と比較することで、その株が割安か割高かを判断する材料となります。

トヨタ自動車の例で、株価が12,000円の場合、BPS(10,000円)に対して株価が高いことになります。この場合、投資家はトヨタの将来性を高く評価していると考えられます。

ソニーの例で、株価が4,500円の場合、BPS(5,000円)に対して株価が低いことになります。この場合、投資家はソニーの現状を過小評価している可能性があります。

BPS(一株当たり純資産)の実例

BPS(一株当たり純資産)について、具体的な実例を用いて解説します。

例1: トヨタ自動車(7203)

トヨタ自動車の最新の財務データを用いてBPSを計算してみます。

・純資産:30兆円
・発行済み株式数:30億株​

この計算により、トヨタ自動車のBPSは10,000円となります。これは、トヨタ自動車の株を1株持っていると、その株には10,000円の純資産が裏付けられていることを意味します。

トヨタ自動車は自動車業界でトップの企業であり、BPSも非常に高いです。これにより、トヨタの財務的な安定性と成長性が評価されます。

例2: ソニー(6758)

次に、ソニーの最新の財務データを見てみましょう。

・純資産:6兆円
・発行済み株式数:12億株

ソニーの場合、BPSは5,000円です。これは、ソニーの株を1株持っていると、その株には5,000円の純資産が裏付けられていることを示します。

ソニーはエレクトロニクスやエンターテインメント分野での多角的な事業展開が特徴です。BPSが比較的低いですが、成長性やイノベーションの評価が高い企業です。

BPS(一株当たり純資産)のよくある質問

BPS(一株当たり純資産)に関するよくある質問とその回答をまとめました。

Q1.高いほど良いのですか?

BPSが高い企業は、一般的に財務的に健全であると考えられますが、それだけで投資判断をするのは危険です。

BPSは純資産価値を示す指標ですが、収益性や成長性、市場環境なども考慮する必要があります。したがって、他の財務指標や市場の状況と併せて判断することが重要です。

Q2.低いのは避けるべきですか?

BPSが低い企業でも、成長性や将来の収益性が高い場合は投資価値があることがあります。

特に成長企業や新興企業の場合、初期段階では純資産が少なくても将来の成長が期待できることがあります。その企業の成長性や市場でのポジションなども併せて考慮することが重要です。

O3.マイナスになることはありますか?

はい、総負債が総資産を上回る場合、BPSはマイナスとなります。この場合、財務状況が非常に悪化していることを示します。

Q4.変動要因は何ですか?

純資産や発行済み株式数の変動によって影響を受けます。

例えば、新株発行や自社株買い、資産の評価替えなどがBPSに影響を与えます。また、企業の利益が蓄積されることで純資産が増加し、BPSが上昇することもあります。

Q5.業界によって違いがありますか?

はい、BPSは業界によって異なる傾向があります。

例えば、資産集約型の産業(銀行、不動産、製造業など)では一般的に高いBPSが期待されますが、サービス業やテクノロジー企業では低いこともあります。業界特有の特性を考慮し、同業他社と比較することが重要です。

まとめ

BPS(一株当たり純資産)は、財務健全性や株主価値を評価するための重要な指標です。

その計算方法はシンプルで、財務状況や投資価値を評価するために広く活用されています。ただし、株式数の変動や資産の評価方法を考慮し、総合的な視点で評価することが重要です。

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