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損益計算書(インカムステートメント)の見方をわかりやすく解説!仕組みがわかる

2024年6月26日

※本ページにはプロモーションが含まれてます。

会社の「儲け」や「お金の流れ」がどうなっているのかを知るには、損益計算書を見ることが大切です。

なぜなら、この書類には1年間でどれだけ売って、どれだけ使って、どれだけ残ったのかが、数字でわかりやすくまとめられているからです。

とはいえ、専門用語が多くて「難しそう」と感じる方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「損益計算書(インカムステートメント)」の見方を解説します。

投資や経営の判断に役立つ内容になっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

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損益計算書(インカムステートメント)って何?

損益計算書(インカムステートメント)って何?

損益計算書とは「会社がどれだけもうかったか、または損をしたか」を1年ごとにまとめた成績表のことです。学校で言えば通知表のようなものです。

損益計算書を見れば、会社がきちんと利益を出しているのか、売上に対してコストがかかりすぎていないかが一目でわかります。

投資家にとっては「この会社、伸びそうだな」と判断するためのとても大切な情報です。

  • 売上や利益の増え方を見ることで、成長している会社か判断できる。
  • 経費の使い方を知ることで、ムダづかいしていないかがわかる。
  • 株価が上がるか下がるかのヒントがある。

つまり、損益計算書がわかれば、その会社に投資して良いかどうかの「目安」が持てるんです。

損益計算書(インカムステートメント)はどこで見られる?

損益計算書(インカムステートメント)はどこで見られるの?

損益計算書は「決算短信」や「有価証券報告書」に掲載されています。

では、どうやって見るのかというと、以下のような方法があります。

中でも特におすすめなのが【株探】です。

なぜなら、損益計算書だけでなく、過去の業績や利益の変化、会社の成長の流れなども一目で分かるからです。

損益計算書(インカムステートメント)の構成

損益計算書(インカムステートメント)の構成

損益計算書は、上から順に「お金が入る→お金を使う→残った儲け」という流れになっています。そのため、流れをつかめば初めての方でも読みやすくなります。

これから、順番にご説明します。

1. 売上高

商品・サービスの販売による総収入

会社が商品を売ったり、サービスを提供したりして得た、すべての収入を表します。たとえば、お店でパンを1個100円で100個売ったら、売上高は「1万円」になります。

ポイント

  • 会社がどれだけ売れたかを見る数字です。
  • まだ費用を引いていない「合計の金額」です。
  • 売上が多くても、利益が出るとは限りません。
この数字が大きいと「たくさん売れている」と判断できますが、ここだけを見てもうけを判断するのは早計です。

2. 売上原価

製品やサービス提供に直接かかる費用

売った商品を作るために使ったお金のことを指します。パン屋さんなら、小麦粉やバター、パンを焼くための電気代などが原価にあたります。

ポイント

  • 商品を用意するために必要な「材料費」や「仕入れ費」
  • 売れた分だけを計算に入れます。
  • 原価が高いと、いくら売っても利益は少なくなります。
ここをしっかり管理できる会社は、効率よく儲けを出せます。

3. 売上総利益

売上高から売上原価を差し引いた利益

売上高から売上原価を引いた金額で、「本当に商品でいくら儲けたか」がわかる数字です。「粗利」とも呼ばれます。

ポイント

  • 「売って儲かった金額」の第一歩
  • ここでしっかり利益を出せていれば、経営は安定しやすい。
  • 粗利率(売上総利益÷売上高)も重要な見方のひとつ。
ここが高い会社は、商品そのものに「価値」があると言えます。

4. 販売費及び一般管理費(販管費)

広告宣伝費、人件費、事務費など間接費用

売るために使ったお金と、会社を動かすためにかかる費用のことです。たとえば広告費、店員さんの給料、電話代、家賃などが含まれます。

ポイント

  • 商品を作る以外に必要なお金
  • 無駄づかいがあると、利益が減ってしまいます。
  • 効率よく使えているかが、会社の力を表します。
ここが多すぎると、どれだけ売れても儲かりにくくなります。

5. 営業利益

本業による利益

売上総利益から販管費を引いた金額で、「本業での儲け」を表します。つまり、会社が本来の仕事でどれだけしっかり稼げているかを示す大事な指標です。

ポイント

  • 本業の強さがわかる数字
  • 投資家が特に注目する部分
  • ここが安定していれば、会社の土台はしっかりしています。
見かけの売上ではなく、「実力」を見るならここをチェックしましょう。

6. 営業外収益と営業外費用

本業以外で得たお金や、かかった費用のことです。たとえば、銀行に預けていたお金からもらった利子、逆に借金の利息などがこれにあたります

ポイント

  • 会社の活動とは少し離れたお金の出入り
  • 一時的な利益や損失もふくまれます
  • 本業が弱くても、ここでカバーする会社もあります。
ただし、一時的な収入に頼ると長続きしないので注意が必要です。

7. 経常利益

通常の業務及び営業外の収益・費用を合算した利益

営業利益に営業外の収益や費用を足し引きした「普段の儲け」を示す数字です。ここまで来ると、「会社全体の力」が見えてきます。

ポイント

  • 本業とそれ以外の普段のお金の流れを合わせた利益
  • 毎年安定していれば、安心して投資できる目安になります。
  • 会社の実力を判断するうえでとても大切です。
投資家や銀行がチェックすることが多い項目です。

8. 特別利益・特別損失

普段は起きないけれど、その年だけ発生した大きなお金の動きです。たとえば、土地を売ってもうかったり、災害で工場が壊れたりした場合などです。

ポイント

  • 毎年は出てこない「特別なできごと」
  • 本業の実力とは少し関係がありません。
  • これに頼った利益は注意が必要です。
一時的な増減なので、見た目の利益だけにまどわされないようにしましょう。

9. 税引前当期純利益

税金控除前の最終利益

税金を引く前の、最終的な利益です。ここまでくると、会社がどれだけお金を生み出したかがよく見えます。

ポイント

  • 税金を払う前の「実質的な儲け」
  • このあとに税金を引いて、最終利益が出ます。
  • 大きな赤字や黒字があるときは、ここも要チェックです。
税金をのぞいた本当の経営成果が見える場所です。

10. 当期純利益

すべての費用・税金控除後の最終利益

最後に残った、いちばん大切な利益です。この数字が大きいほど、会社の儲けがしっかり出ていることになります。

ポイント

  • 株主がいちばん気にする数字です。
  • 配当や次の投資に使われることもあります。
  • 数年分を比べると、会社の成長が見えてきます。
「会社として、今年どれだけ成果を出したか」が一目でわかる部分です。

損益計算書(インカムステートメント)の見方と分析の仕方

損益計算書(インカムステートメント)の見方と分析の仕方

1. 損益計算書の基本的な見方

損益計算書は、会社がどれだけお金を稼いで、どれだけ使って、どれくらいもうけたかを表すものです。なぜこれを見る必要があるかというと、会社の元気さや、将来の伸びしろを知るために役立つからです。

たとえば、毎月のおこづかい帳と同じように、収入と支出、残ったお金を確認できます。

主な見方のポイント

  • 売上高は「どれだけ売れたか」を示します。
  • 売上総利益や営業利益で「どれくらい儲かったか」がわかります。
  • 最後の当期純利益は「会社に残った利益」です。

表にまとめると、次のようになります。

項目 内容
売上高 商品を売って得たお金
売上原価 商品を作るのにかかったお金
売上総利益 売上高 − 売上原価
営業利益 売上総利益 − 販売費や管理費
経常利益 営業利益 ± 本業以外の儲けや損
当期純利益 最終的に会社に残ったお金

このように、順を追って見ていくと、会社の実力がわかりやすくなります。

2. 損益計算書を使った分析の仕方

損益計算書をただ読むだけでなく、分析することで、もっと深く会社のことが見えてきます。なぜなら、数字の動きから会社の成長性や危険な部分を発見できるからです。

たとえば、売上が増えているのに利益が減っていたら、コストの使い方に問題があるかもしれません。逆に、売上があまり変わらなくても、利益が増えていれば経営がうまくいっていると判断できます。

分析の主な方法

  • 前年や前期との比較(たとえば、売上がどれだけ伸びたか)
  • 利益率の変化を見る(営業利益率など)
  • 他の会社と比べてみる(同じ業種の中での位置づけ)

分析の結果によって、

この会社は今後も成長しそうだな
利益が減っていて心配だな

というように判断できるようになります。

大切なのは、「数字の背景にあるストーリー」に目を向けることです。損益計算書は、そのストーリーを読み解くカギになります。

損益計算書(インカムステートメント)のよくある質問

損益計算書(インカムステートメント)のよくある質

Q1. 主な目的は何ですか?

会社がどれだけ儲けて、どんなお金を使ったかを知るためのものです。なぜかと言うと、どんなふうにお金が動いているかを見れば、会社の元気さや課題がわかるからです。

たとえば、売上は多いけれど、広告費がかかりすぎて利益が少ないなんてことも見えてきます。

このように、損益計算書は「これからどう経営するか」「この会社に投資していいか」を考えるときのヒントになるのです。

Q2. 分析するときに大事なことは何ですか?

変化の流れを見ることと、ほかの会社とくらべることが大切です。

なぜなら、利益が増えているか、コストが増えていないかを見ることで、その会社がうまくいっているかがわかるからです。

たとえば以下のような点に注目します。

  • 売上や利益の増え方(これを「トレンド」と呼びます)
  • 競争している他社とくらべてどうか
  • 部門ごとの利益の違い

こうした分析から、会社の強み・弱みを見つけることができます。

Q3. 損益計算書はどれくらいの間で作られるの?

普通は3か月ごと、または1年ごとに作られます。理由としては、会社の成績を定期的にまとめることで、社内外に経営のようすを伝えやすくなるからです。

会社によっては、月ごとや半年ごとに出す場合もあります。つまり、「会社の健康診断」を定期的にしているイメージですね。

Q4. 売上高と売上総利益はどうちがうの?

「売上高」は全部の売り上げ、「売上総利益」はそこから材料などの費用を引いたもうけです。

なぜ分けて考えるのかというと、実際に手元にどれだけお金が残ったかを知るためです。

たとえば、

パン屋さんが1,000円分パンを売った(これが売上高)
小麦やバターに700円かかった(これが売上原価)
→ 残りの300円が売上総利益になります

このように、売上高と売上総利益の差を見れば、会社の「商品でどれだけ儲けているか」がわかります。

Q5. 投資家はどこを見たらいいの?

売上だけでなく、どれだけ利益が出ているかや、コストの使い方にも注目しましょう。

理由は、利益が出ていてもムダづかいが多ければ、将来が心配になるからです。

見るべきポイントはこちらです。

  • 売上高:どれだけ売れているか
  • 営業利益:本業の儲け
  • 経常利益:いつも通りの儲け
  • 当期純利益:ぜんぶ引いた後に残る最終の儲け
  • 販管費(人件費や広告費など)や特別損失

これらを合わせて見れば、「会社の本当の力」と「将来の伸びしろ」がわかってきますよ。

まとめ

損益計算書は、会社のお金の動きをひと目で知るための大切な書類です。

なぜなら、売上や費用、最終的な儲けがわかれば、その会社がうまくいっているのかどうかが見えてくるからです。

今回ご紹介したポイントをおさえることで、「この会社に投資しても大丈夫か」や「利益はしっかり出ているのか」など、判断しやすくなります。

最初はむずかしく感じるかもしれませんが、慣れてくると数字の意味が少しずつ見えてきます。少しずつでも読み方を身につけて、よりよい判断につなげていただければ幸いです。

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