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ROE(自己資本利益率)とは?目安や計算方法、判断方法について詳しく解説

2024年6月28日

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ROE(自己資本利益率)

株式投資を行う際、企業の収益性や経営効率を評価するために多くの指標が使われます。その中でも「ROE(自己資本利益率)」は、投資家にとって重要な指標の一つです。

この記事では、ROEの意味や計算方法、そしてその判断方法について詳しく解説します。

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ROE(自己資本利益率)とは?

ROE(自己資本利益率)とは?

ROE(自己資本利益率)とは、自己資本をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標です。当期純利益を自己資本で割った割合をパーセンテージで表します。

ROEは、英語で「Return on Equity」の略で、日本語では「自己資本利益率」と呼ばれます。

高いROEは、資本を有効に活用し、株主に対して良好なリターンを提供していることを示し、投資家にとっては魅力的な要素とされます。

ポートフォリオの定期的なチェックにも欠かせない指標です。

ポートフォリオについては、「効果的なポートフォリオの作り方!リスク分散から経済情勢への対応まで解説」からご覧ください。

ROEの目安

一般的に、ROEが15%以上であれば優良企業とされます。

業界によって異なりますが、以下のような目安が参考になります。

  • 15%以上: 非常に優れた水準
  • 10%~15%: 良好な水準
  • 5%~10%: 平均的な水準
  • 5%未満: 改善が必要な水準

ROE(自己資本利益率)の計算方法

最新のROEは、株探Yahoo!ファイナンスなどで確認できますので、わざわざ計算する必要はありませんが、一応説明します。

計算方法は以下の通りです。

ROEの計算方法

当期純利益は、決算書(損益計算書)から確認できます。当期純利益は一定期間(通常は1年間)に得た全ての収益から経費を差し引いた純利益です。

自己資本は、財務諸表(貸借対照表)から確認できます。自己資本には株主資本(発行済株式資本や資本剰余金)、利益準備金、評価換算差額などが含まれます。

上記の数値を使用してROEを計算します。

当期純利益を自己資本で割り、その結果に100を掛けてパーセンテージで表します。

具体的な計算例

具体的な計算手順は以下のようになります。

例えば、ある企業の当期純利益が1億円で、自己資本が5億円である場合、ROEは次のように計算できます。

ROEの計算方法

この計算結果から、この企業のROEは20%となります。

ROE(自己資本利益率)の判断方法

ROEは、主に以下のような場面で判断されます。

  • 収益性を見る
  • 同業他社との比較する
  • 過去のROE推移を見る
  • 配当増加の可能性を予測
  • 銘柄の選別と買い時

それぞれについて詳しく見てみましょう。

収益性を見る

ROEが高いほど、株主からの資本を効率的に使って利益を生み出していることを示します。一般的に、ROEが高い企業は成長性が高いと判断できます。

ただし、ROEが高い企業は魅力的ですが、負債を多く利用している場合、リスクも高くなります。

財務レバレッジが高い企業は経済の変動に対する耐性が低く、不況時に大きなダメージを受ける可能性があります。

例: 企業Aと企業Bの比較

  • 企業AのROE:15%
  • 企業BのROE:8%

企業AのROEが企業Bよりも高い場合、企業Aは自己資本を効率的に使ってより多くの利益を上げていると判断できます。

同業他社の中でROEが高い企業を選ぶことで、より収益性の高い投資先を見つけることができます。

同業他社と比較する

同じ業界内の企業同士のROEを比較することで、どの企業がより効率的に資本を運用しているかを判断する材料になります。

テクノロジー業界ではROEが高い企業が多い一方、公益事業では低くなる傾向があります。

このため、業界の平均ROEを把握し、それを基準にして個別企業のROEを評価することが重要です。

過去のROE推移を見る

単年度のデータだけでなく、過去数年間のトレンドを確認することが重要です。

安定して高いROEを維持している企業は、持続的な競争優位性を持っている可能性が高いです。

例えば、ある企業のROEが過去5年間にわたって15%以上を維持している場合、その企業は安定した収益力を持ち、効率的な経営が行われていると判断できます。

配当増加の可能性を予測

ROEが高い企業は、持続的に高い収益を上げることができるため、将来的な配当増加の可能性が高まります。

例えば、ROEが15%以上であれば、配当を増やす余地があるかもしれません。

配当については、「配当利回りとは?基礎知識と利回りが高い銘柄の選び方」からご覧ください。

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銘柄の選別と買い時

企業Cと企業Dが共にROE 15%を示している場合でも、企業Cは借入を増やしてROEを上げている一方で、企業Dは自己資本だけでROEを達成しているかもしれません。

この場合、企業Dの方がリスクが低く、安定した投資先と判断できるでしょう。

企業の株価が適正かどうかも判断することができます。

例えば、ROEが高くても株価が低い場合、市場で過小評価されている可能性があります。このような場合、投資家にとっては買い時と言えます。

ROE(自己資本利益率)の注意点

ROEを活用する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 業種によって適正ROEが違う
  • 自己資本の少ない企業
  • 配当政策の影響
  • 自社株買いの影響
  • 負債の影響
  • 他の指標との併用

それぞれについて詳しく見てみましょう。

業種によって適正ROEが違う

業種によって適正なROEの基準は異なります。

例えば、テクノロジー企業や金融企業は一般的に高いROEを持つことが多いですが、製造業や公益事業は低めが標準とされています。

同業他社と比較する場合は、適正ROEを確認するようにしてください。

自己資本の少ない企業

自己資本が少ない企業は、少ない資本で高い利益を上げることができるため、ROEが高くなる傾向がありますが、財務的にはリスクが高い場合もあります。

自己資本の質も考慮する必要があります。

例えば、評価損や減価償却が十分に行われていない資産が自己資本に含まれている場合、実態を正確に反映していない可能性があります。

自己資本については、「自己資本比率とは?一般的な目安と3つの企業の実例」からご覧ください。

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配当政策の影響

高配当政策を取る企業は、自己資本が減少しやすいためROEが高くなることがあります。

これは投資家にとって魅力的ですが、再投資による成長余地が小さくなる可能性もあります。

自社株買いの影響

自社株買いにより自己資本が減少すると、ROEが一時的に上昇することがあります。

これは実際の収益力の向上を示しているわけではないため、注意が必要です。

自社株買いについては、「自社株買いとは?株価の影響と成功失敗の実例」からご覧ください。

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負債の影響

ROEは自己資本に対する利益率を示すため、負債の利用が多い企業ではROEが高くなる傾向があります。

高いROEを維持するために過剰な負債を抱えることは財務リスクを増大させる可能性があるため、負債比率も併せて確認することが重要です。

他の指標との併用

ROEだけでなく、他の財務指標(PER(株価収益率)RBR(株価純資産倍率)など)と併用して総合的に価値を評価することが重要です。

例えば、ROEが高い企業でも、PERが異常に高い場合、株価が過大評価されている可能性があります。逆に、PBRが低い場合は、割安な投資先である可能性もあります。

ROE(自己資本利益率)のよくある質問

ROEに関するよくある質問とその回答をまとめました。

Q1.高いのはどういう意味?

ROEが高いということは、自己資本を効率的に利用して高い利益を上げていることを示します。投資家にとっては、その企業が高い収益性を持っていると評価される傾向があります。

Q2.低いのはどういう意味?

ROEが低い場合、自己資本を効果的に活用できていない可能性があります。収益性が低いことを示しており、投資家にとっては魅力が薄れることがあります。

Q3.目安はどのくらい?

一般的に、10%以上であれば良好とされていますが、業種や企業の状況によって異なります。成長企業や高収益企業では、20%以上が求められることもあります。

Q4.マイナスになることはある?

はい、当期純利益が赤字の場合、ROEはマイナスになります。これは、企業が損失を出していることを示しており、投資家にとっては警戒信号となります。

Q5.高ROE企業のリスクはある?

負債を多く利用している場合、景気後退時に財務リスクが高まる可能性があります。一時的な要因でROEが高くなっている場合、持続的な成長が難しいこともあります。

Q6.日本企業と海外企業のROEの違いは?

一般的に、海外企業、特に米国企業のROEは日本企業よりも高い傾向があります。これは、米国企業が効率的な資本運用や高い収益性を追求しているためです。

一方、日本企業は伝統的に保守的な資本運用を行うことが多く、低くなることがあります。

まとめ

ROE(自己資本利益率)は、企業が株主から調達した資本をどれだけ効率的に使って利益を生み出しているかを示す重要な指標です。

投資家にとっては、収益性や経営効率を評価するための一つの目安となります。

しかし、ROEだけに依存せず、他の指標や業界特性も考慮して総合的に評価することが大切です。

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