株をしていると、誰しも含み損を経験するものです。しかし、含み損を過度に気にしすぎると、冷静な投資判断ができなくなることがあります。
こんな時こそ、冷静さを保ち、感情に流されないことが大切です。
そこで今回は、私が実践している「株の含み損を気にしないための5つの方法」を詳しく紹介します。これらの方法を取り入れれば、投資に対する不安を和らげられるはずです。
株の含み損を気にしないようにする方法
株を買ったあとに値下がりすると、「損してしまった…」と気になってしまう方も多いと思います。でも、正しい考え方や行動を身につければ、そうした不安を少なくすることができます。
ここでは、株の含み損をあまり気にせず、投資を続けるためのポイントをご紹介します。
1. 長い目で見ることを意識する
株の値段は日によって上がったり下がったりします。短い期間だけを見ていると、どうしても気持ちが落ち着かなくなります。
しかし、「この会社は5年後、10年後も成長しているだろうか?」といった長い目で見るようにすると、一時的な下げもあまり気にならなくなります。
具体的な工夫
- 決算書やニュースを見て、将来も伸びていきそうな会社に投資します。
- 過去の株価の動きや業績を確認し、長いあいだ成長しているかを調べます。
2. 損してもいい範囲を決めておく
株を買うときに、「ここまで下がったら売る」とルールを決めておくと安心です。これを「損切り」と言います。
自分でルールを決めておくことで、気持ちが楽になりますし、急な下げでも冷静に対応できます。
具体的な工夫
- 買った値段から5〜10%くらい下がったら売ると決めておく。
- 自動で売る機能(ストップ注文)を使えば、感情に左右されずにすみます。
損切りルールは、「誰もが迷う「買い時・売り時」このチャートで全部わかります【短期・中期向け】」からご覧ください。
3. 投資の目的をハッキリさせる
「なぜ投資をしているのか?」という目的がしっかりしていると、多少の含み損でもブレにくくなります。
たとえば、「将来の老後資金のため」「子どもの教育費を少しずつ準備したい」など、人によって目的はさまざまです。
具体的な工夫
- 3ヶ月〜半年、1年〜5年、5年以上など、期間ごとに目標を立てましょう。
- 自分がどのくらいの損までなら耐えられるか、あらかじめ決めておくと安心です。
4. 投資先をいくつかに分ける
1つの会社にだけ投資していると、そこが値下がりしたときのショックも大きくなります。ですので、いくつかの会社や業種に分けて投資するのがおすすめです。
そうすれば、もし1つの株が下がっても、他の株が上がってカバーできることがあります。
具体的な工夫
- 食品、薬、電気など、違う業種の株を選んでバランスよく持ちましょう。
- 株だけでなく、国債や不動産の投資信託なども組み合わせると、リスクが減らせます。
不動産投資について学びたい人は、「ファイナンシャルアカデミー」、投資信託は、「ひふみ投信」がおすすめです。
5. 感情に流されない工夫をする
株価が下がると、どうしても焦ってしまいがちです。でも、感情のままに売ったり買ったりすると、あとで後悔することが多いです。
冷静さを保つためには、ふだんから心を落ち着ける習慣をつけることも大切です。
具体的な工夫
- 深呼吸やストレッチ、ヨガなどで心を落ち着ける時間をつくる。
- 日記をつけて、そのときの自分の気持ちを振り返るようにする。
株の含み損を放置するリスク
株の含み損をそのままにしておくと、いくつかの注意すべき危険があります。
このリスクを正しく理解し、早めに対策をとることで、大切なお金を守ることができます。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
1. お金が動かせなくなる(資金拘束のリスク)
含み損を抱えた株を持ち続けていると、売ることができず、そのお金が長い間使えなくなってしまいます。
この状態は「塩漬け」とも呼ばれ、特に初心者の方がやりがちな失敗です。その間に、新しく出てきた良い投資チャンスを逃してしまうかもしれません。
対策
- 「この価格まで下がったら売る」と決めておくことで、迷わずに行動できます。
- 定期的に持っている株を見直し、お金が無駄に止まっていないかを確認しましょう。

2. 全体のバランスが崩れる(ポートフォリオの偏り)
含み損のある株を長く持っていると、その株だけが全体の中で目立ってしまい、資産のバランスが悪くなってしまうことがあります。
たとえ他の株がうまくいっていても、この偏りが原因で全体の成績が悪くなることも。
対策
- 定期的に持ち株のバランスを調整しましょう。
- 特定の株に頼りすぎず、さまざまな分野に資金を分けておくと安心です。

ポートフォリオについては、「効果的なポートフォリオの作り方!リスク分散から経済情勢への対応まで解説」からご覧ください。
3. 自信を失ってしまう(モチベーションの低下)
含み損を長く見続けていると、「自分は投資に向いていないのかも…」と感じてしまうことがあります。そうなると、次の一歩が踏み出せず、投資から離れてしまうことも。
感情に流されて焦って売買してしまうと、さらに損を重ねることもあります。
対策
- 思い切って損切りを行い、気持ちをリセットするのも一つの方法です。
- 投資の勉強を続け、正しい知識を身につければ、自信を取り戻せます。

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4. 損失がどんどん広がる(大きな損につながる)
市場の状況が悪くなったとき、含み損はさらに大きくなることがあります。特に、景気が悪くなったり、企業の業績が急に悪化したりすると、その下げ幅は想像以上になります。
「そのうち戻るだろう」と期待していると、手遅れになってしまうことも。
対策
- あらかじめ決めた価格で自動的に売る「売却予約(ストップロス)」を使いましょう。
- 日ごろから経済や企業の情報をチェックして、変化にすばやく対応できるように備えておくことが大切です。
5. 信用取引で大きな損をする危険
信用取引をしている場合、含み損を放置すると、借りているお金の保証(証拠金)が足りなくなることがあります。
特に「空売り」という手法では、株価が上がると損失がふくらみます。株価の上昇には上限がないため、損も際限なく広がる恐れがあります。
対策
- 保証金が不足しないように、定期的に確認する習慣をつけましょう。
- 空売りをする際は、必ず損切りラインを決めておき、一定以上の含み損になったらすぐに対応することが大切です。

株の含み損を損切りするタイミング
含み損をどのタイミングで損切りするかを見極めることは、とても大切な力となります。
正しいタイミングで損切りできれば、これ以上の損失を防ぐことができ、大切な資金を次のチャンスに活かすことが可能になります。
それでは、具体的にどのようなポイントに気をつければ良いか、順番に見ていきましょう。
1. 損切りラインを決めておく
まず、株を買う時に「ここまで下がったら売る」という基準をあらかじめ決めておきましょう。
自分がどれくらいの損までなら許せるかを考えて、損切りラインを決めることが大切です。
目安としては、買った金額から5%〜10%下がった時に売る人が多いと言われています。はっきりした数値で決めることで、迷いが少なくなります。
具体的な方法
- 株を買うときに、損切りラインを一緒に決めておきます。
- 証券会社の自動売却機能(ストップロス注文)を使い、決めた価格に下がったら自動で売るように設定しておきましょう。
2. 株価チャートを活用する
株価の動きを表すチャートを定期的に確認し、危ないサインを見逃さないようにしましょう。たとえば、サポートラインを割り込んだ場合、その後さらに下がることが多いです。
また、短い期間の移動平均線が長い期間の移動平均線より下に行ったときも、売却のサインになることがあります。
具体的な方法
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3. 企業の中身をチェックする
株を持っている会社の業績が悪くなったり、経済の状況が悪化したりした場合は、早めに見切りをつけることも必要です。
未来の成長が期待できないと判断したときは、損切りを考えるタイミングといえるでしょう。
具体的な方法
- 会社の決算発表や、ニュースを定期的にチェックしましょう。
- 売上や利益、借金の状況などを見直し、悪い変化があれば早めに対応します。
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4. 感情に流されない
株を売るかどうか悩んでいると、「いつか上がるかもしれない」と期待してしまい、損切りが遅れることがあります。ですが、感情に頼ると判断を誤ることが多いです。
決めたルールに従い、冷静に行動することが大切です。
具体的な方法
- 自分で決めた損切りルールに素直に従いましょう。
- 迷ったときは、第三者の意見(専門家や投資アドバイザー)を参考にして、客観的な判断を心がけます。

5. 市場全体の流れを見る
相場全体が下がっているときは、個別の株も引きずられて下がりやすくなります。特に、売る人が増えて出来高(売買の量)が大きくなりながら下がる場合は、注意が必要です。
早めに行動し、大きな損失を避けましょう。
具体的な方法
- 日々のニュースや相場の流れをこまめに確認します。
- 市場全体が下り坂にあるときは、損切りをためらわずに実行しましょう。
まとめ
株式投資では、どれだけ上手な人でも含み損をゼロにすることはできません。
ですが、損切りのルールをしっかり決めておけば、大きな損失を防ぎ、次のチャンスをつかみやすくなります。
株式投資は短期の勝ち負けではなく、長い目で見て資産を育てていくものです。
一時的な損に惑わされず、冷静に、そして前向きに投資を続けてまいりましょう。