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ワラントとは?仕組み・メリット・デメリットを詳しく解説

2025年3月5日

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ワラントとは、将来あらかじめ決められた価格で、その会社の株を買うことができる「権利」のことを指します。これは、今すぐ株を持つのではなく、「あとで買う約束」のようなものです。

普通の株式投資とは少し違って、少ないお金で大きな利益を目指せる仕組みがあるため、チャンスを狙いたい投資家にとっては魅力的な手段となっています。

この記事では、ワラントの基本的な仕組みや、メリット・デメリットを詳しく解説します。

また、実際に投資の中でどう使えばいいか、考えるときのヒントもお伝えします。

ワラントとは?

ワラントとは?

ワラントとは、ある会社の株などを「決められた値段」で、将来買ったり売ったりできる権利のことをいいます。

たとえば、「1株100円で、1年後に買える権利」を持っていれば、そのとき株の値段が150円になっていても、100円で買うことができます。

このように、うまくいけば利益を大きくすることができます。

ワラントにはいくつか種類がありますが、よく見かけるのは「新株予約権」や「カバードワラント」と呼ばれるものです。

会社が新しく株を出すときに付けたり、証券会社が作って売ったりすることがあります。

ワラントは、「オプション取引」と似た仕組みを持っています。ただし、ワラントは多くの場合、証券取引所ではなく、会社や証券会社が直接作って出すことが多いです。

そのため、いろんな種類の商品や株、指数などにも使われることがあります。

ワラントの種類とその特徴について

ワラントにはいくつかの種類がありますが、代表的なものは次の2つです。

1. 新株予約権

これは、企業が新しく株を発行し、決まった価格で投資家にその株を買う「権利」を渡すものです。企業にとっては、お金を集めるための方法のひとつです。

特徴
・企業は、株を買ってもらうことで、新たなお金を得られます。
・将来株価が上がったときに、安く買って高く売ることで利益を得ることができます。
・転換社債(※株に変えることができる債券)とは違い、この権利を使わなければ、株にはなりません。つまり、株としての数が増えるのは「行使」したときだけです。

🔍 具体例
「1000円で買えるワラントを持っていて、2年後に株価が1500円になった場合」
→ 1000円で株を手に入れて、すぐに売ると500円の儲けになります。

2. カバードワラント

こちらは、証券会社や銀行などの金融機関が出すワラントです。株や日経平均などの「値段の上がり下がり」に合わせて利益をねらえる商品です。

ふたつのタイプがあります。

・コール型:決められた価格で「買うことができる」権利
・プット型:決められた価格で「売ることができる」権利

※ 難しく聞こえるかもしれませんが、「買う権利」「売る権利」という風に考えるとイメージしやすくなります。

特徴
・少ないお金で、大きな利益をねらえる仕組みです。うまく使えば、資金効率が良くなります。
・先物や難しい取引よりは、使いやすい商品とされています。
・期限(満期)が決まっているため、その日までに使わなければ、価値はゼロになります。

🔍 具体例
「日経平均が上がると考えて、現在3万円のときにコール型のワラントを買ったとします」
→ もし3ヶ月後に日経平均が3万3000円になれば、その分の上がりで利益を得ることができます。

ワラント投資のメリット

ワラント投資のメリット

1. 少額で大きなリターンを狙える(レバレッジ効果)

ワラントは、普通の株よりも安い値段で買える仕組みです。ですので、少ないお金でも大きな儲けを狙えることがあります。

具体例
ある会社の株が5,000円のとき、その株に関係するワラントが500円で買えるとします。

株価が6,000円に上がると、ワラントも高くなり、500円だったものが1,200円になることもあります。この場合、投資したお金が約2.4倍になる可能性があるのです。

このように、株をそのまま買うよりも、小さい金額で大きな儲けが狙えるのがワラントの一番の良さです。

2. リスクが限定的(最大損失は購入金額のみ)

ワラントは、会社の株だけでなく、日経平均やアメリカの株、金や原油などにも投資できます。これによって、いろいろなモノに分けて投資ができるようになります。

具体例
500円のワラントを買ったあとに株価が下がり、ワラントの価値が0円になってしまった場合でも、損は最大で500円だけです。

普通の株なら、5,000円が2,500円になって半分になることもありますが、ワラントはそれ以上の損はしません。

→ ワラントは、先物やFXのようにあとで借金をする心配がなく、お金の管理がしやすいのが安心ポイントです。

3. 投資対象が多様(個別株、指数、商品など)

カバードワラントは、日経平均株価、TOPIX、米国株、金や原油などの商品価格にも投資できるため、分散投資にも活用できます。

✅ 具体例
・日経平均のワラントを買う → 日本の株全体が上がると利益が出ます。
・原油のワラントを買う → 原油の値段が下がると利益が出るようなワラントもあります。

いろんなモノに分けて投資できるので、一つに絞るよりもリスクを減らしやすくなります。

ワラント投資のデメリット

ワラント投資のデメリット

1. 満期があるため、価値が0円になる可能性が高い

ワラントには、満期=締め切りがあります。その日までに値段が動かないと、ワラントの価値は0円になることがあります。

具体例
・3ヶ月後に満期になるワラントを買ったけれど、株の値段があまり動かなかった。
・ワラントの値段は少しずつ下がり、最後には0円になることもある。

📌 対策
・長く持つのではなく、短い期間で売買する投資として考えましょう。
・できるだけ期限の長いワラントを選ぶのも方法の一つです。

2. 価格変動が大きく、ハイリスク

ワラントは、株価が少し動くだけでも、ワラントの値段が大きく変わります。短い期間で、半分以下に下がることもあるため、注意が必要です。

具体例
・株価が10%下がっただけでも、ワラントの価格が50%以上下がることがあります。
・500円で買ったワラントが、1週間で250円になるのもめずらしくありません。

📌 対策
・買ったときに、「これ以上下がったら売る」と決めておきましょう。
・動きの大きい銘柄は、しっかり調べてから選ぶようにしましょう。

3. 発行企業の信用リスクがある

ワラントは、それを出している会社の信用も大事です。もしその会社の経営がうまくいかなくなると、ワラントの価値にも悪い影響が出ることがあります。

具体例
・その会社の業績が悪くなる → ワラントの値段が下がることがある。
・最悪の場合、その会社が倒産すると、ワラントが無価値になることも…

📌 対策
・できるだけ大きくて信頼できる会社のワラントを選びましょう。
・会社の財務(お金の状態)をチェックすることも大切です。

財務状況の見方は、「ファンダメンタル分析とは?初心者でもわかる基本と投資への活用法」からご覧ください。

ワラント投資をうまく進めるためのポイント

ワラント投資を成功させるポイント

ワラント投資でしっかり利益を出すためには、次の3つのポイントに気をつけましょう。

1. 銘柄の選び方と発行条件をよく確認する

ワラントには、「いくらで買えるか(行使価格)」「いつまでに使えるか(満期)」「どこが出しているか(発行会社)」など、大事なポイントがいくつかあります。

買う前に必ずチェックしておきましょう。

🔍 確認しておきたいこと

行使価格
→ 今の株価と比べて、どのくらい差があるかを見ましょう。差が大きすぎると利益が出にくくなります。

満期(使える期限)
→ 満期が近すぎると焦って取引することになります。できれば数か月以上の余裕があるものを選びたいところです。

発行会社の信頼性
→ 名の知れた証券会社や、安心して取引できる金融機関かどうかを確認しましょう。信頼できない会社が出しているものは避けるのが無難です。

2. 「いつ利益を確定するか・損を切るか」を決めておく

ワラントは期限がある商品なので、のんびり持ち続けるのはおすすめできません。早めに動くつもりで、あらかじめルールを決めておきましょう。

📌 おすすめのルール
・利益が50%をこえたら、一部を売って利益を確保しましょう。
・損が30%をこえたら、潔く売って損失を小さくおさえます。
・満期が近づくと価格が急に動くこともあります。満期の1か月前には決済しておくと安心です。

3. 値動きが大きい銘柄を選ぶ

ワラントは「値段の変動」が大きい銘柄のほうが利益を出しやすい投資法です。

動きが少ない株を選んでしまうと、価格があまり動かず損になることもあります。

おすすめのタイプ
・技術の進歩がはやいテクノロジー関連株(たとえば半導体やAI)
・上場したばかりで注目されている新興企業の株
・話題になりやすい仮想通貨と関係のある銘柄

ワラントのよくある質問

ワラントのよくある質問

Q1. 売ったり買ったりすることはできますか?

カバードワラント」と呼ばれるものは、証券取引所を通じて売買することが可能です。たとえば、三菱UFJ eスマート証券などで取り扱いがあります。

ただし、買いたい人や売りたい人が少ない場合、思った価格で取引できないこともあります。そのため、売買のときは取引の量にも気をつける必要があります。

Q2. 発行されると株価にはどんな影響がありますか?

ワラントが発行されるということは、将来、新しい株が増えるかもしれないという意味になります。そのため、市場では「株の価値がうすくなるのではないか」と心配され、株価が下がることがあります。

ただし、ワラントの発行で会社がしっかりお金を集められた場合、そのお金を使って会社が成長することもあります。そうなれば、結果として株価が上がることもありますので、一概に悪いとは言い切れません。

Q3. なぜワラントを発行するのですか?

一番の目的は、お金を集めること(資金調達)です。

ワラント付きの株を出すことで、投資家の注目を集めやすくなり、将来の資本を増やすことにつながります。

また、会社が新しい事業を始めたり、今の事業を良くしたりするための成長資金を確保する方法としても使われます。

Q4. どのような投資家に向いていますか?

ワラントは、株よりも値動きが大きくなることが多いため、短い期間で大きな利益をねらいたい方に向いています。

また、「これから株価が上がる」と予想しているけれど、なるべく少ないお金で始めたい方にも適しています。

ただし、反対に大きな損になることもあるので、リスクを理解したうえで使うことが大切です。

まとめ

ワラントは、株や指数の値動きを活用して、少ない元手で大きな取引ができるしくみです。

うまく使えば利益を増やすこともできますが、期限があったり、値段が大きく変わったりするので、注意が必要です。

特に、「新株予約権」として発行されるワラントは、会社の資金集めと関係しています。

そのため、株が増えることで1株あたりの価値がうすくなる可能性も考えながら、しっかり調べてから投資するようにしましょう。

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