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キャッシュ・フローとは?計算書の見方と分析例で分かりやすく解説

2024年6月24日

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キャッシュ・フローとは?重要性とその見方を解説!

キャッシュ・フローは、株式投資をしている方や、ビジネスに興味のある方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。

でも、具体的にどんな意味があるのか、どうやって見るべきかをしっかり理解している方は少ないかもしれません。そこで、今回はキャッシュ・フローについてわかりやすく解説します。

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キャッシュ・フローとは?

キャッシュ・フローとは?

キャッシュ・フローとは、企業や個人の現金の流れを示すものです。簡単に言えば、お金がどこから入ってきて、どこに出ていくのかを表します。

財務状況を把握するための重要な指標であり、健全な経営を続けるためには欠かせない要素です。

キャッシュ・フローを見れば、どれだけ効率的に現金を管理し、事業運営を維持・拡大するための資金を確保しているかを判断できます。

どこに書かれている?

キャッシュ・フローは、上場企業が四半期ごとに発表する決算短信に書かれています。

決算書上部の「財政状態に関する説明」に書かれています。

決算短信は、下記から入手でき見ることができます。

キャッシュ・フローの種類

主に3つの種類があります。

  • 営業キャッシュ・フロー
  • 投資キャッシュ・フロー
  • 財務キャッシュ・フロー

それぞれについて詳しく見てみましょう。

営業キャッシュ・フロー

営業活動によって生み出された現金の流れ

商品やサービスの販売によって得られた収入や、原材料や人件費などの営業活動にかかる支出が含まれます。事業活動がどれだけ現金を生み出しているかを示すため、収益力を評価する際に重要です。

営業キャッシュ・フローがプラスであれば、本業でしっかり稼げていることを示します。

計算方法

営業キャッシュフロー = 純利益 + 減価償却費 + その他の非現金費用 + 営業運転資本の変動

投資キャッシュ・フロー

投資活動によって生じる現金の流れ

新しい設備の購入や工場の建設、または不動産の取得や売却などが該当します。将来の成長や拡大のためにどれだけ資金を投じているかを示します。

投資キャッシュ・フローがマイナスであっても、新たな設備投資や成長のための投資が行われているなら、必ずしも悪いことではありません。

計算方法

投資キャッシュフロー = 設備投資 + 事業投資 + その他の投資支出 - 投資からの収入

財務キャッシュ・フロー

財務活動による現金の流れ

株式の発行、借入金の調達、配当金の支払い、借入金の返済などが含まれます。どのようにして事業運営に必要な資金を調達し、または返済しているかを示します。

財務キャッシュ・フローがプラスであれば、資金調達がうまくいっていることを示し、マイナスであれば借入金の返済や配当金の支払いが行われていることを示します。

計算方法

財務キャッシュフロー = 新規借入金 + 株式発行による収入 - 借入金の返済 - 配当金の支払い

キャッシュ・フローの見方

キャッシュ・フローを理解するためには、計算書をしっかりと読み解くことが大切です。

以下のポイントに注意して見てみましょう。

  • 総合的に評価する
  • セグメント別に見る
  • キャッシュ・フロー分析の例

それぞれについて詳しく見てみましょう。

総合的に評価する

営業、投資、財務キャッシュ・フローを総合的に評価することで、全体像を掴むことができます。

単年度だけでなく、複数年度を比較しトレンドを把握することが重要です。

安定してプラスを維持しているか、一時的なマイナスがある場合は理由を調べる必要があります。

セグメント別に見る

複数の事業を展開している場合、セグメント別のキャッシュ・フローを見ることで、どの事業が強いのか、どの事業が資金を食っているのかが分かります。

収益性は、営業キャッシュ・フローを比較することで、どの事業が最も収益性が高いかを評価できます。

投資効率は、投資キャッシュ・フローを分析することで、どの事業に対する投資が最も効果的かを判断できます。

資金調達は、財務キャッシュ・フローを検討することで、どの事業が最も多くの資金調達を必要としているか、またはどの事業が最も多くの資金を生み出しているかを把握できます。

キャッシュ・フロー分析の例

例えば、ある企業の計算書が以下のような場合を考えます。

  • 営業キャッシュ・フロー:+5000万
  • 投資キャッシュ・フロー:-2000万
  • 財務キャッシュ・フロー:+1000万

この場合、本業で5000万円の現金を生み出し、成長のために2000万円を投資し、資金調達や借入金の返済で1000万円の現金を得ています。

フリー・キャッシュ・フローは3000万円(5000万円 - 2000万円)であり、企業が将来的に自由に使える現金を示しています。

フリーキャッシュフローとは?

フリーキャッシュフローは、事業活動を通じて生み出す現金のうち、運営資金や設備投資などに必要な支出を差し引いた後に残る現金のことを指します。

企業が自由に使える現金を示しており、株主への配当や債務の返済、新たな投資などに利用されます。株式投資においても重要な指標です。

フリーキャッシュフローを分析することで、その企業が安定して収益を上げ続けられるか、または将来的な成長が期待できるかを判断します。

特に、成長企業や成熟企業の評価には欠かせない要素です。

計算方法

フリーキャッシュフロー = 営業キャッシュフロー - 資本的支出

成長企業

フリーキャッシュフローが高い成長企業は、自社の事業拡大に必要な資金を内部で賄えるため、外部からの資金調達に頼らずに成長を続けることができます。

成熟企業

成熟企業にとっては、フリーキャッシュフローが高いことは株主への還元や債務返済に充てる資金が豊富であることを示し、投資家にとって魅力的なポイントとなります。

フリーキャッシュフローの例

具体例を使って説明します。ある企業の1年間の数字を見てみましょう。

  • 営業キャッシュフロー:500万円
  • 設備投資:200万円

この場合、フリーキャッシュフローは次のように計算されます。

500万円(営業キャッシュフロー)−200万円(設備投資)=300万円(フリーキャッシュフロー)

つまり、この企業は1年間で300万円の現金を自由に使えるということです。

このお金は、例えば株主への配当、借金の返済、新たな投資などに使うことができます。

キャッシュ・フローの重要性

キャッシュ・フローは、財務健全性を評価する上で非常に重要です。

なぜなら、どれだけ利益を上げていても、キャッシュ・フローが悪化していれば、資金繰りに困る可能性があるからです。

以下のポイントでその重要性をさらに理解しましょう。

  • 経営の安定性
  • 投資判断

それぞれについて詳しく見てみましょう。

経営の安定性

キャッシュ・フローが安定している企業は、急な支出にも対応しやすく、経営が安定します。逆に不安定だと資金繰りに困り、最悪の場合は倒産のリスクもあります。

  • 資金繰りの確保
    企業が日常の運営資金を確保できます。これにより、給与の支払いや仕入れ代金の支払い、その他の運転資本の需要を満たすことができます。資金繰りがスムーズに行われることで、企業は日々の運営に専念でき、経営の安定性が向上します。
  • 投資の柔軟性
    成長のための投資を柔軟に行うことを可能にします。新しいプロジェクトや設備投資、研究開発などに十分な資金を投入できるため、競争力を維持し、長期的な成長を目指すことができます。
  • 借入金の返済能力
    借入金を返済する能力を持っています。これにより、財務リスクが低減し、信用格付けの向上や金利の低減といったメリットを享受することができます。健全な財務状態は、経営の安定性を高めます。
  • 配当金の支払い
    株主に対する配当金の支払いも、安定していることで可能になります。安定した配当は株主の信頼を得るために重要であり、株価にも好影響を与えます。これにより、経営基盤が強固になります。
  • 経済的ショックへの対応力
    予期せぬ経済的ショックや市場の変動に対して、安定したキャッシュ・フローを持つ企業は柔軟に対応できます。リストラや事業縮小をせずに持ちこたえることができ、長期的な視点での経営が可能になります。

このように、健全なキャッシュ・フローを維持することで、経済的なショックに耐え、持続的な成長を遂げることができます。

投資判断

キャッシュ・フローは投資判断において非常に重要な指標です。

・営業キャッシュ・フローの分析

営業キャッシュ・フローが安定している企業は、本業で稼ぐ力が強く、長期的に見ても安心して投資できると言えます。プラスであることは、収益性の高いビジネスを展開していることを示します。

・財務キャッシュ・フローの分析

財務キャッシュ・フローを分析することで、どの程度の借入金を利用しているかを評価できます。高い借入金はリスクとなり得ます。

どのように資金を調達し、返済しているかを理解することで、資本構成の健全性を評価できます。

・フリーキャッシュ・フローの分析

フリーキャッシュ・フローがプラスであれば、成長のための投資を行う余裕があると判断できます。豊富である企業は、安定した配当を支払い、株主還元を行う能力が高いと見なされます。

・トレンドを分析

過去数年間のキャッシュ・フローの増加傾向が見られる企業は、成長が期待できると判断されます。これにより、現金生成能力の変化や将来の見通しを評価できます。

・同業他社と比較

同業他社と比較してキャッシュ・フローが優れている企業は、競争力が高いと判断されます。

キャッシュ・フローの分析例

架空企業のキャッシュ・フロー計算書を基にした分析例を示します。

○○株式会社の計算書

1. 営業キャッシュ・フロー

  • 純利益: 10億円
  • 減価償却費: 2億円
  • 売掛金の増加: -1億円
  • 買掛金の増加: 1億円
  • 在庫の減少: 0.5億円

営業キャッシュ・フロー合計: 12.5億円

これは本業が健全であり、安定した現金を生み出していることを示しています。

純利益よりも高いことは、非現金項目(減価償却費)が現金を増加させていることを示します。

2. 投資キャッシュ・フロー

  • 設備投資: -5億円
  • 投資資産の売却: 1億円

投資キャッシュ・フロー合計: -4億円

設備投資に5億円を投入し、1億円の投資資産を売却した結果です。

設備投資に多額の資金を投入していることは、将来の成長を見据えていることを示しており、成長ポテンシャルの高い投資対象として魅力的です。

3. 財務キャッシュ・フロー

  • 新規借入金: 3億円
  • 借入金の返済: -2億円
  • 配当金の支払い: -1億円

財務キャッシュ・フロー合計: 0億円

3億円の新規借入金を得て2億円を返済し、1億円を配当に充てています。

借入金と返済、配当金支払いのバランスが取れており、財務状況が安定しているため、財務リスクが低いことが確認できます。

まとめ

キャッシュ・フローは、は財務健全性や成長可能性を評価するための重要な指標であり、投資判断において不可欠な役割を果たします。

営業、投資、財務キャッシュ・フローを詳しく分析し、どのように現金を管理しているかを把握することが重要です。

各要素を分析することで、投資のリスクを低減し、より良い投資判断を下すことができます。

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