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時価総額の計算方法は?変動する要因と活用方法について詳しく解説

2024年6月30日

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株式投資を行ううえで、時価総額はとても大切な指標の一つです。

企業の大きさや市場での評価を知る手がかりとなるため、初心者の方にもぜひ理解していただきたい内容です。

この記事では、時価総額の計算方法に加えて、どのような理由で変わるのか、そして実際に投資でどう活かせるのかを解説します。

時価総額とは?

時価総額とは?

時価総額とは、「その会社がいま市場でどれくらいの価値があるのか」を表す数字のことです。企業全体の値段を表したものだと考えるとイメージしやすいかもしれません。

この時価総額を見ることで、会社の大きさや市場での立ち位置を知ることができます。

数字が大きい会社ほど、投資家から「安定している」と思われやすく、反対に数字が小さい会社には「これから伸びるかもしれない期待」が集まることもあります。

時価総額は、株探や、Yahoo!ファイナンスなどで確認できます。また、株価と発行済株式数を掛け合わせて自分で計算することも可能です。

3つのカテゴリに分類

企業は大きく3つのカテゴリに分類されることが一般的です。

・大型株:1兆円以上の企業

  • トヨタ自動車(7203):51兆
  • ソフトバンクグループ (9984):15兆
  • ソニーグループ(6758):17兆
  • ファーストリテイリング(9983):12兆

・中型株:1,000億円から1兆円の企業

  • オリエンタルランド(4661):8100億
  • 三菱自動車(7211):6600億
  • TOTO(5332):6700億
  • カルビー(2229):4100億

・小型株:1,000億円未満の企業

  • コロプラ(3668):850億
  • ヱスビー食品(2805):610億
  • 元気寿司(9828):590億
  • ミニストップ(9946):490億

時価総額の計算方法は?

時価総額の計算方法は?

時価総額の計算はとても簡単です。基本の式は以下の通りです。

時価総額=発行済株式数×株価

例えば、ある会社が1億株の株を出していて、1株の値段が1,000円だとしましょう。このとき、時価総額は以下のように求められます。

1億株×1,000円=1,000億円

このように、株価と株の数の2つの数字が分かれば、誰でもかんたんに計算できます。

上場企業の発行済株式数は、株探や、Yahoo!ファイナンスなどで確認できます。

時価総額の変動する要因

時価総額の変動する要因

時価総額は、毎日変わることがあります。

その主な理由は、株価が日々変動しているからです。そして、株価にはさまざまな出来事やニュースが影響を与えます。

ここでは、時価総額に影響する主な3つの要因をご紹介いたします。

1. 会社の業績(儲けの増減)

まず一番わかりやすいのが、会社の儲け(利益)や売上です。

利益が増えれば、「この会社は調子がいい」と思われ、株価が上がりやすくなります。

例えば、決算発表で予想以上に利益が出ていた場合、投資家の信頼が高まり、株価が上がることがあります。その結果、時価総額も一緒に増えるのです。

また、次のようなケースでも、株価は上がりやすくなります。

・将来の成長が見込まれる分野で活躍している。
・新しい技術やサービスを発表して注目を集めている。

つまり、「この会社はこれから伸びそう」と思われるかどうかが、時価総額に大きく関係してくるのです。

2. 経済の状況(景気や金利)

次に、経済全体の流れも株価に影響を与えます。

景気が良いと、人や会社がお金を使いやすくなるため、企業の儲けも増えやすくなります。
→ その結果、株価が上がりやすく、時価総額も増加します。

反対に、景気が悪くなると、売上や利益が減ることが多くなり、株価が下がりやすくなります。
→ これにより、時価総額も小さくなってしまいます。

さらに、「金利」も重要なポイントです。中央銀行が金利を上げると、企業が借りたお金の返済が重くなり、利益が減る可能性があります。

逆に、金利が下がると、お金を借りやすくなるため、会社の経営が楽になり、株価にプラスの影響を与えることがあります。

3. 投資家の気持ち(市場の心理)

最後に、「人の気持ち」も株価に大きく関わっています。

ある業界が話題になったとき
例:電気自動車や人工知能のように注目されている分野では、そこに属する企業の株価が一気に上がることがあります。

ニュースやうわさ話
政治の動き、大きな事件、会社に関するニュースなどが出ると、「この会社は大丈夫かな?」という気持ちから、株価が下がることもあります。

つまり、数字だけでなく、人の期待や不安も時価総額に影響を与えるということです。

時価総額の活用方法

時価総額の活用方法

時価総額は、企業の大きさを知るための大切な指標です。この数字を上手に使うことで、よりよい投資判断ができるようになります。

ここでは、投資に活かすための具体的な使い方をご紹介いたします。

1. 投資先の分け方(リスクを減らす工夫)

投資では、1つの会社にすべてのお金を入れてしまうと、大きな損をすることもあります。そのため、いろいろな種類の会社に分けて投資をする「分散」が大切です。

このとき、時価総額ごとに会社を分けて考えると、バランスのよい投資がしやすくなります。

大型株
しっかりとした経営をしている企業が多く、景気が悪くなっても急に倒れにくいのが特徴です。配当も安定しているため、安全に投資したい方に向いています。

中型株
ある程度の安定感がありつつ、これから成長するチャンスもあります。大きな企業ほど安心ではないですが、その分、将来の楽しみもあります。

小型株
まだ世の中に知られていない企業も多く、成功すれば株価が大きく上がることがあります。ただし、うまくいかないと下がるリスクも高いため、注意が必要です。

例えば、資金の50%を大型株、30%を中型株、残り20%を小型株に分けると、安定と成長のバランスがとれます。

2. これから伸びる会社を見つける

時価総額を使うと、「これから大きくなりそうな会社」を探す手がかりにもなります。

とくに、小さな会社の中には、これから急成長して大企業になる可能性を秘めた企業がたくさんあります。

たとえば、ITや医療分野など、新しい分野でがんばっている小型株に注目すると、将来大きなもうけにつながることもあるのです。

もちろん、成長するかどうかは会社ごとに違うので、売上や利益が年々伸びているかどうかもいっしょにチェックしましょう。

成長株については下記の記事からご覧ください。

3. リスクをコントロールする

投資をするときに大切なのは、どれだけのリスクを取るかを調整できるようにすることです。

例えば、

・景気が悪いときや、株価が下がりそうなとき
→ 大きな会社(大型株)を多めにして、リスクをおさえます。

・景気がよくなりそうなときや、もっとリターンをねらいたいとき
→ 小さな会社(小型株)に少し多めに投資して、高いリターンを目指します。

このように、時価総額をうまく使えば、自分の投資スタイルに合った組み合わせを考えることができます。

時価総額を見るときの注意点

時価総額の注意点

時価総額は便利な指標ですが、それだけで企業のよしあしを決めてしまうのは危険です。

ここでは、見るときに気をつけたいポイントを2つご紹介します。

1. 利益とズレていることがある

時価総額は「会社がどれだけ評価されているか」を表していますが、実際に儲けているかどうかとは別の話です。

例えば、まだ利益が出ていない会社でも、「この会社は将来すごく伸びるはずだ」と期待されると、時価総額が高くなることがあります。

逆に、儲けは出ているけど、期待されていない会社は時価総額が低いこともあります。

ですので、PER(株価と利益の関係)やROE(どれだけ効率よく利益を出しているか)など、ほかの数字と合わせて判断することが大切です。

2. 市場の雰囲気に左右される

時価総額は、株価に合わせて変わります。その株価は、会社の実力だけではなく、ニュースや人々の気持ちでも大きく動くことがあります。

例えば、

・政治の出来事や経済の発表
・世界で起きた自然災害や大きな事件
・SNSやテレビでのうわさ話

こうした外の要因でも株価は変わるため、時価総額もその影響を強く受けてしまうのです。

そのため、「なぜ株価が動いているのか?」を考えることもとても大切になります。

時価総額のよくある質問

時価総額のよくある質問

Q1. どのように変動しますか?

時価総額は、株価の変動によって変わります。

株価は、企業の業績や経済環境、投資家の気持ち、さらにはニュースや出来事などさまざまな影響を受けます。

たとえば、企業が良い決算を発表したり、良いニュースが出ると、株価は上がり、その結果、時価総額も増えることになります。

Q2. 高い企業は優れた企業ですか?

時価総額が高いからと言って、その企業が必ずしも優れた企業だとは限りません。

時価総額は、その企業が市場でどれだけ評価されているかを示すものですが、投資を考える上では、業績や成長性、財務状態など他の要素も大切です。

高い時価総額の企業は安定していることが多いですが、成長が鈍い場合もあります。

Q3. 時価総額と企業価値は同じですか?

時価総額と企業価値は、まったく同じではありません。

時価総額は株式の価値だけを示しますが、企業価値は株式の価値に加えて、企業が持っている負債や現金など、全体の価値を考えたものです。

企業価値は、企業を買収したり合併したりする際に重要な指標となります。

Q4. 低い企業はリスクが高いですか?

時価総額が低い企業、つまり小さな企業(小型株)は、成長の可能性が大きい一方で、リスクも高いことがあります。

小型株は、市場の動きに敏感で、株価が大きく上下することがよくあります。

そのため、リスクを取ってでも大きなリターンを狙いたい場合には向いていますが、慎重に判断する必要があります。

Q5. 急激に変動する原因は何ですか?

時価総額が急に変わる原因には、いくつかの理由があります。

主な原因は、業績発表や重要なニュース(たとえば、企業買収の発表)、経済指標の発表、政治や自然災害などです。

また、投資家の気持ちや市場全体の動きにも影響されるため、急に株価が大きく変動することもあります。

まとめ

時価総額は、企業の市場での価値を簡単に知るために使える大事な指標です。

この指標を活用することで、投資先の企業の規模やリスクを理解し、適切な投資戦略を立てることができます。

時価総額をよく理解すれば、もっと賢く投資ができるようになります。

投資をする際は、多くの情報をもとに判断することが大切です。時価総額もその一部として、ぜひ注目してみてください。

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