「株は放置するのが一番」とよく言われますが、本当にそうなのでしょうか。
買った株をそのまま持ち続けるだけで利益が出るなら、こんなに楽なことはありません。しかし、市場は常に変化し、株価も上下を繰り返します。
何もしないことで本当に資産が増えるのか、それともリスクがあるのか。
この記事では、ほったらかし投資の実態を詳しく解説します。
なぜ「株は放置が一番」と言われるのか?
株式投資において「放置が一番」と言われる理由は、長期的な値動きを活かしやすいためです。
株価は短期間では大きく上下するものの、時間をかけて成長する企業の株は上昇していく傾向にあります。
主な理由
- 経済全体が発展すれば、業績も伸びやすく、株価も上昇する可能性が高まります。
- 短期売買を繰り返すと、手数料や税金がかさみ、利益を減らす要因になります。
- 株価の上下に一喜一憂せずに済み、冷静に投資を続けやすくなります。
このような理由から、長期保有が有効な投資手法と考えられています。
例:実際のデータ
例えば、アメリカのS&P500は過去50年間で平均7〜8%の成長を続けています。
短期で見れば下落することもありますが、長期で見ると上昇傾向にあります。
投資期間 | 平均リターン(年率) | 成功率(元本割れしない確率) |
1年 | 約8% | 70% |
10年 | 約8% | 85% |
30年 | 約8% | 99% |
このように、長期投資ではほぼ確実に利益を得られる可能性が高まるのです。
株を放置するメリット
1. 時間をかけて資産を増やせる
株式は短期間で大きく値動きすることがありますが、長期的には成長する可能性があります。
特に、安定して業績を伸ばしている企業の株を持ち続けることで、株価の上昇や配当によって資産を増やすことができます。
- 10年前に購入した株が2倍以上の価値になることもある。
- 配当金を再投資することで、さらに資産を増やせる。
2. 精神的な負担が少ない
株価を毎日チェックすると、少しの値動きで不安になってしまうことがあります。
しかし、長期的な視点で投資をしていれば、一時的な下落に動揺することなく冷静に構えていられます。
- 日々の値動きに振り回されないため、ストレスが減る。
- 仕事や趣味に集中しやすくなる。
3. 売買手数料や税金が抑えられる
頻繁に売買をすると、そのたびに手数料がかかります。
また、利益を出すたびに税金も発生します。しかし、株を長期間保有していれば、余計な費用を減らすことができます。
- 頻繁に売買する:手数料や税金が多くかかる。
- 長期保有する:手数料や税金を抑えられる。
株を放置するデメリット
一方で、株を放置することにはリスクもあります。
何もしなくても大丈夫というわけではなく、適切な管理が必要です。
1. 企業の業績悪化に気づけない
株を長期間持ち続けていると、その企業が業績を悪化させていることに気づかないことがあります。成長が期待できる企業でも、環境の変化によって状況が悪くなることがあります。
- 競争が激しくなり、売上が減る可能性がある。
- 経営方針の変更により、利益が出にくくなる場合がある。
2. 暴落時の対応が遅れる
市場全体が下落するとき、何もせずに放置していると大きな損失につながることがあります。特に、リーマンショックやコロナショックのような急激な下落では、適切な判断が求められます。
- 大幅に下がったときに売却の判断が遅れる。
- 回復に長い時間がかかる可能性がある。
3. 配当や優待の変更を見落とす
企業によっては、業績の変化によって配当や株主優待の内容を変更することがあります。
放置していると、それに気づかず「思っていた利益が得られない」といった事態になることもあります。
- 日々の値動きに振り回されないため、ストレスが減る。
- 仕事や趣味に集中しやすくなる。
株放置が向いている人と向いていない人
1. 向いている人
長期的に資産を増やしたい人
すぐに結果を求めず、じっくり資産を成長させたい人に適しています。
投資に時間をかけたくない人
仕事や家庭で忙しく、頻繁に売買できない人には最適です。
市場の上下に動じない人
一時的な下落に冷静でいられる人は、長期投資に向いています。
2. 向いていない人
短期間で利益を出したい人
すぐに結果を求める人は、デイトレードや短期投資のほうが合っています。
リスク管理を自分でしっかり行いたい人
自分でリスクを細かくコントロールしたい人は、定期的な売買が必要です。
市場の変動を気にしすぎる人
株価が下がると不安になる人は、長期投資を続けにくいかもしれません。

3. 株放置を成功させるためのポイント
放置するとはいえ、完全に無視するわけではありません。
成功させるには、いくつかの工夫が必要です。
1. 企業の財務状況をしっかり確認する
株を長期間放置するには、まず投資する企業の財務状況をしっかり確認することが重要です。
財務が安定していない株を持ち続けると、業績悪化や倒産のリスクが高まるためです。
具体的には、次の点をチェックしましょう。
確認項目 | 理由 |
自己資本比率 | 借金が少なく経営が安定しているか |
売上・利益の推移 | 右肩上がりで成長しているか |
配当の実績 | 継続的に配当を出しているか |
財務が健全な企業であれば、多少の経済危機があっても乗り越えられる可能性が高まります。
事前の調査を怠らず、長期にわたって安心して持ち続けられる銘柄を選びましょう。
財務状況を確認する方法は、下記の記事を参考にしてみてください。
2. 過去の成長実績がある企業を選ぶ
株を放置する場合、将来の成長が期待できる企業を選ぶことが成功のカギとなります。
長年にわたって成長を続けている企業は、今後も安定した業績を維持しやすいためです。
選ぶ際のポイントとして、以下の点をチェックしましょう。
- 売上や利益が10年以上増加傾向にある
- 業界内での競争力が高く、独自の強みがある
- 新しい事業や海外展開など成長戦略が明確
例えば、日本の大手食品メーカーや鉄道会社などは、長期的に安定した成長を続けています。
このような企業に投資することで、株価の値上がりや配当金を長く受け取ることができます。
3. 配当金が安定している銘柄を選ぶ
株を長期間持ち続ける場合、配当金の安定性も重要な要素です。
配当があると、株価の値動きに関係なく定期的な収益を得られるため、長期投資のメリットを享受しやすくなります。
以下の点に注意して銘柄を選びましょう。
- 過去10年以上、減配せずに配当を続けている
- 配当性向が高すぎず、適度なバランスを保っている
- 業績が安定しており、今後も配当を維持できそうな企業
特に、電力会社や通信企業など、景気に左右されにくい業種は長期投資に適しています。
定期的に配当金を受け取りながら、安心して株を持ち続けることが可能です。
配当に関しては、下記の記事を参考にしてみてください。
4. 株式分割や自社株買いが行われる企業を選ぶ
株を放置する際、企業の株主還元策にも注目すると良いでしょう。
特に、株式分割や自社株買いを積極的に行う企業は、株価の上昇が期待できます。
株主還元策 | 期待できる効果 |
株式分割 | 株価が下がり、流動性が高まりやすい |
自社株買い | 1株あたりの価値が向上しやすい |
例えば、過去に株式分割を繰り返している企業は、株価が上昇しやすい傾向があります。
こうした企業の株を選ぶことで、長期間放置しても大きな利益を得られる可能性が高まります。
自社株買いが何か分からない人は、以下の記事で説明していますのでご確認ください。
5. 定期的にニュースや決算を確認する
株を放置するといっても、完全に無関心でいるのは危険です。
企業の経営状況や市場の変化を見逃すと、株価の大幅下落や配当の減少に気づかないまま時間が過ぎてしまう可能性があります。
最低限、次の情報を定期的にチェックしましょう。
- 企業の決算発表(年2回または4回)
- 業界の動向や競合他社のニュース
- 重大な経営判断(M&A、新規事業、リストラなど)
例えば、過去には業績が安定していた企業でも、突然の不祥事や市場の変化で業績が悪化するケースがありました。
適度に情報を確認することで、リスクを最小限に抑えながら長期投資を続けることができます。
株の情報サイトは「株探」がおすすめです。
株探に関しては、「株探(かぶたん)の使い方と特徴!無料版・有料版の違いも解説」で説明しています。
4. 株を放置した人の実例
実際に長期投資を実践し、大きな成果を上げた例もあります。
1. 10年前に買った株が10倍になっていたケース
長期間株を放置することで、大きな利益を得られることがあります。
例えば、ある投資家は10年前に成長が期待される企業の株を購入しました。その後、日常生活に忙しく、株価の確認をせずに放置していました。
結果として、以下のような状況になりました。
- 当時1株1,000円だった株価が10,000円に上昇。
- 配当金も積み重なり、想定以上の利益を獲得。
- 企業の成長により株式分割が行われ、持ち株数も増加。
このケースから学べることは、成長企業の株を長期間保有することで、大きなリターンを得られる可能性があるという点です。
ただし、全ての銘柄が同じように成長するわけではないため、銘柄選びが重要になります。
2. 株を放置した結果、大暴落に巻き込まれたケース
一方で、株を放置することで大きな損失を被ることもあります。
ある投資家は、5年前に有名企業の株を購入しましたが、その後の業績悪化や不祥事の発覚により株価が急落しました。
この時、投資家は次のような状況に陥りました。
購入時:1株 5,000円⇒現在:1株 500円=損益:90%減
- 経営状態を確認せず、状況を把握していなかった。
- 下落に気づいた時にはすでに損失が大きく、売る決断ができなかった。
- 結果として、大幅な損失を確定することになった。
この事例から分かることは、定期的なチェックが欠かせないという点です。
企業の業績や市場環境の変化を見逃すと、大きな損失につながる可能性があります。
3. 長期保有で配当金を受け取り続けたケース
株を長期間保有することで、株価の値上がりだけでなく、配当金を継続的に受け取ることができます。ある投資家は20年前に優良企業の株を購入し、そのまま放置していました。
その結果、以下のようなメリットがありました。
- 20年間で累積配当金が購入額の2倍を超えた。
- 株価も安定して推移し、売却すればさらに利益が出る状況。
- 何もせずに資産が増える仕組みを作ることができた。
このように、安定した企業の株を長期保有することで、配当金という形で定期的な収益を得ることが可能です。
ただし、企業が配当を減らしたり無配になったりするリスクもあるため、ある程度の管理は必要となります。
4. 倒産で株が無価値になったケース
最悪のケースとして、倒産により株が紙くず同然になることもあります。
ある投資家は、新興企業の成長に期待して株を購入しました。しかし、経営難に陥り、最終的に会社が倒産してしまいました。
- 購入時の株価は3,000円だったが、最終的に0円に。
- 財務状況を確認していなかったため、リスクを見落としていた。
- 投資金額の全てを失い、大きな損失に。
この時、投資家が直面したのは次のような状況です。
この事例から学べることは、企業の財務状況や市場の動向を定期的にチェックすることの重要性です。特に、新興企業への投資はハイリスクであるため、慎重な判断が求められます。
まとめ:「放置するけど、完全には放置しない」ことが大切
株を長期間持ち続けることで、大きな利益を得る可能性がある一方で、状況によっては損失につながることもあります。
放置することが必ずしも正解とは限りませんが、無駄な売買を減らし、じっくりと資産を育てる方法としては有効です。
市場の動きに一喜一憂せず、冷静に判断する姿勢が、長期的な成功につながるでしょう。